”警察官”といえば、制服を着て交番で勤務する姿を真っ先に思い浮かべる方が多いかと思います。
なぜなら、警察官と聞いて誰もが思い浮かべるのが交番のおまわりさんだからです。
実際、制服を着ている警察官は遠くから見ても一目で警察官とわかりますし、犯罪者はその姿を見るだけで嫌がるものです。
それと同時に制服を着た警察官は子どもたちの憧れの存在でもあります。
小学生がなりたい職業で毎回上位になっているので、子ども人気は抜群のものがあるでしょう。
しかし、警察官の仕事とはなにも交番で勤務するだけではありません。
交番で勤務する警察官は地域課の所属になりますが、他にも刑事課や交通課、生活安全課など様々な部署が存在します。
警察官になればそれだけ活躍する場があるということなので、これは1つ警察官の仕事のやりがいだと思います。
警察学校卒業後は必ず地域課での勤務となるが、その後は希望や適性に応じて部署を異動することが可能となる。地域課で長く続けてもいいし、別の部署を目指してもいい。
そんな中、様々な部署があるからこそ人気の部署があれば不人気の部署もあるのが事実です。
警察官に人気の部署といえば簡単に想像はつきますが、不人気の部署というのは意外と知られていないと思います。
それは警察官になってみないとそれぞれの部署の実態はわかりませんし、その裏側もわからないからです。
実際、「○○課には行きたくない」「○○さんがあの部署に異動になってしまった…」など、警察官の間でもよく語られる話題でもあります。
そこで、この記事では警察官が勤務する部署にスポットライトを当て、人気の部署と不人気の部署について紹介していきます。
あくまで私自身の実体験がベースになりますが、警察官の仕事のリアルな裏側をご覧頂ければと思います。

警察官が働く部署とは

まず、警察官にとって部署とは一体どのようなものなのかについて解説します。
警察官における部署とは一般企業とまったく同じ扱いであり、自分が所属する係や働くチームといった認識で間違いありません。
警察官でも必ずどこかの部署に所属しており、日々その部署が取り扱う仕事に従事するという形です。
警察官の場合は警察本部での勤務になるか警察署での勤務になるかで多少異なりますが、全国どこの警察官でもその部署における仕事内容は大きく変わりません。
例えば、地域課ならパトカーや交番での勤務となりますし、刑事課なら事件捜査にあたるといった仕事内容です。
逆に言うと刑事課に所属する警察官が取締りをすることはありませんし、交通課で勤務する警察官が交番で勤務することはありません。
警察官の仕事はマルチに活躍するというよりはその部署の仕事を極める専門性の面が強い。なので、1つの部署で長く勤め上げるというパターンが多い。
警察学校を卒業したあとは必ず地域課での勤務となりますが、その後の進路は人それぞれになります。
地域課の仕事が好きでそのまま長く続ける人もいますし、2年ほどで他の部署を希望して異動していく人もいます。
部署の異動は頻繁にあるわけではないので、どちらかと言えば1つの部署を決めてそこで長く勤務するという形が多いです。
※勤務する警察署が変わる異動は数年に1回のタイミングでやってきます
私自身の経験談で言えば、パトカーに乗って勤務することしか興味がなかったので、他の部署への異動は一切希望しませんでした。
そのため、一度も部署を変わることなく警察官を退職したパターンになります。

警察官として勤務をしていると勤務地が異動になることはよくありますが、部署の異動に関しては都道府県によって大きく異なります。
地域によっては
- 希望していなくても部署が変わる
- 希望しなければ部署は変わらない
というパターンがあります。
どちらかというと地方の都道府県警だと前者が多いようです。
私自身は都心部の県警でしたので、後者でした。
やはり警察官の人数が多い地域だとそれだけ希望者が多いので、簡単に誰もが希望通りには異動できない傾向にあります。
逆に警察官の人数が少ない地域は少ない人数でやりくりしなければいけないので、複数の部署を経験する形も見られます。
いずれにしても希望の部署に必ず入れるとは限りません。
「あの部署に憧れて警察官になったのに…」というギャップを感じる場面もあると思いますが、警察官ならば受け入れていくしかありません。
どんな部署がある?

次に警察官の仕事にはどんな部署があるのか?について紹介します。
警察官の仕事にはたくさんの部署があるので、それだけ幅広く活躍の場があるというのは1つ大きな特徴です。
同じ警察官でもそれぞれの部署で担当する仕事は異なりますし、やりがいも違ってきます。
取り扱う事件も全然違うので、警察官を目指すなら部署については幅広く知っておいて損はありません。
特に警察官採用試験を受験するならば志望動機は必須ですし、部署を知ることが面接対策にも繋がると言えます。
警察官を目指している方の中には既にやってみたい仕事や憧れの部署があるでしょうし、子どもの頃から憧れていた仕事がある方もいると思います。
ただ、逆に警察官になりたいけどやりたい仕事は特に決まっていないという方もいると思いますので、わかりやすく警察官の仕事について紹介していきます。
細かく分類すると非常に多くの部署がありますが、今回はどこの警察署にもある代表的な部署を中心に紹介します。
- 地域課
地域課は誰もが知っている部署で、メインは制服を着て交番やパトカーで勤務する仕事になります。
警察学校卒業後は必ず地域課への配属となります。
地域課は事件・事故があればすぐに現場に駆けつけますし、ちょっとした日常的なトラブルにも対応してきます。
忙しい警察署であれば24時間通報が鳴りやむことはないので、昼夜を問わず治安維持のために働くことになります。
地域課はありとあらゆる通報に対応することになるのため、警察官の中では唯一のマルチプレーヤーといっても過言ではありません。
地域課で勤務をしていれば交通課とも刑事課とも一緒に仕事をする機会があります。
色々な事件事故を経験することができるので、新人警察官を育成するにはうってつけの部署と言えるでしょう。
【関連記事】地域課の仕事・勤務体系・休日などについて紹介 交番・パトカー・自動車警ら隊とは?
- 交通課
交通課は主に交通事故や違反の取締りに従事する部署になります。
交通事故なら事故係、取締りなら取締係など交通課の中でも細かく係が分かれており、それぞれで従事する仕事が異なります。
交通課には窓口を担当する交通総務係という仕事もありますが、それ以外では地域課と同じように日常で発生する事故などに対応していくことが多いです。
白バイを目指す警察官がまずは交通課で経験を積むというパターンは珍しくありません。
交通事故には小さなものから大きなものまで存在し、たちまち大きな事故が発生すれば捜査が必要になります。
普段は警察署で勤務をしているので、交番で勤務するということはありません。
【関連記事】交通課の仕事内容・勤務体系・休日などについて紹介
- 刑事課
刑事課は事件捜査を担当する部署になります。
刑事課も部署の中で細かく係が分けられており、空き巣などの泥棒は盗犯係、殺人などの重大事件は強行係、詐欺などは知能係となっています。
刑事は事件発生からあらゆる捜査を行い、犯人を逮捕するために様々な証拠集めを行います。
忙しい警察署であれば休みもほとんどとれないほどの激務となりますが、執念の捜査で犯人を追い詰めたときは大きなやりがいを感じられるでしょう。
また、刑事は警察官の仕事の中で一番の花形と言われているので、憧れている人も多いはずです。
実際、刑事を希望して警察官になる人は多くいます。
【関連記事】刑事課の仕事内容・勤務体系・休日などについて紹介 刑事になるためには?
- 生活安全課
生活安全課は日常的なトラブルに対応することが多い部署です。
生活安全課にはDVや虐待に対応する生活安全係、少年事件を担当する少年係などがあります。
生活安全係には日々当たり前のように日常的なトラブルの相談が寄せられ、その内容は話し合いで解決するものから事件に発展するものまで大小様々です。
近年、些細なトラブルから大事件に発展することも珍しくないので、実は忙しさが増している部署でもあります。
事件の捜査を行うという点では刑事と似ており、大きな事件が発生すれば休日返上で捜査を行うこともあります。
不良少年を更生させる少年係は希望する警察官が多い人気部署です。
また、生活安全課は女性からの相談を受けることが多いため、女性警察官が多く活躍しているというのが特徴的な部署でもあります。
【関連記事】生活安全課の仕事内容・勤務体系・休日などについて紹介
- 警備課
警備課は多種多様な係があり、他の部署とは一線を画す部署となっています。
災害などの有事の際に指揮を執る災害対策係、不法滞在などの外国人犯罪の捜査を行う外事係、右翼や左翼対策に従事する公安係など、警察官の仕事の中でもかなり専門性の高い業務となっています。
警備課が表立って働く機会は少なく、どちらかと言えば秘密裏に業務を遂行することが多いのが特徴です。
ですので、実は同じ警察官でも警備課については詳しく知らないという人が多いですし、警備課の人も詳しい業務についてはなかなか教えてくれません。
警備課は目立たないことが原則になりますので、謎に包まれた部署であることは間違いありません。
- 警務課
警務課は現場に出ることがほとんどないので、どちらかと言えば裏方のような部署になります。
警務課は警察署の受付、装備品や車両の管理、署員の勤怠管理、各備品の管理など、現場で働く警察官を支えるポジションです。
よほどのことがなければ現場に出ることはありませんので、落ち着いて仕事ができるのが特徴です。
現場に出ない分、夜勤や危険手当等はつきませんが、休日の呼び出しもほぼないので、仕事とプライベートのバランスはとりやすい部署と言えます。
もちろん楽ができるというわけではありませんし、時期によっては忙しいこともあります。
また、留置人を管理する留置管理係があるのも警務課になります。
【警察官の仕事】警務課の仕事・勤務体系・休日などについて紹介
都道府県によって若干の違いはあるかもしれませんが、警察官が勤務する代表的な部署はこの6つになります。
とても幅広い仕事があることが分かって頂けたと思いますし、部署によって仕事が全然違うことも理解頂けたのではないでしょうか。
この中で人気の部署・不人気の部署が存在しますので、経験談も含めて紹介していきます。
警察官に人気の部署

ここからは警察官に人気の部署について紹介していきます。
様々な部署が存在する警察官の仕事ですが、人によって得意・不得意があれば、人気・不人気もあるのが事実です。
人気の部署であれば希望を出したからといって簡単に入ることはできませんので、「最後まで目標が叶わなかった」というケースも珍しくありません。
私自身も夢が叶わず希望の部署ではないところで頑張る先輩たちをたくさん見てきました。
そんな激戦区になることもある人気の部署について、様々な角度から紹介していきます。
不動の人気ツートップ
警察官に人気の部署と言えば、間違いなく刑事課&白バイです。
不動のツートップといっても過言ではなく、異動を希望する多くの若手警察官を見てきました。
実際、私が所属していた県警では刑事課と白バイは大人気で、入りたくてもなかなか入れないというのが現状でした。
やはり「刑事&白バイに憧れて警察官になった」と口にする警察官は多く、それだけ激戦区になっていました。
こういった目標がある人はモチベーションも変わってきますので、「○○の仕事をしたい」と目標を持つことは大切だと思います。
刑事課に入りたいならば、地域課で勤務をしているときに刑事課の人々と人脈を作っておくのが鉄則です。
どうしても刑事になりたいという場合は地域課での勤務が終わった後に「なにか手伝わせてください」と刑事課に顔を出しましょう。
24時間勤務が終わったあとにこれをやるのは並大抵ではないですが、こういった努力は必ず誰かが見てくれています。
また、白バイは交通機動隊に入らなければいけないので、まずは警察署の交通課を目指しましょう。
交通課に入って実績を残すことはもちろんですが、白バイ隊員を養成する研修でいい結果を残すことも大事です。
職質のプロを目指す
数ある部署の中で最も所属する警察官の数が多いのは地域課です。
大きい警察署だと地域課だけで100人以上の警察官が所属していることもあります。(この人数が3つの係に分かれる)
地域課での勤務を好む人は意外と多いのですが、その中で人気なのがパトカーです。
刑事や白バイと同じように「パトカーに乗りたい」と希望する警察官は多いので、実はパトカーは選ばれた警察官しか乗れないものとなっています。
職務質問や取締りで実績を挙げることは当然ながら、現場での動きや事件判断などあらゆる能力が求められるポジションです。
また、パトカー乗務員の精鋭が揃っているのが自動車警ら隊になりますので、結果を残して自動車警ら隊に抜擢されることも珍しくはありません。
職務質問で数々の犯罪を検挙する快感は地域課でなければ味わえないでしょう。
その一方、地域課はまったく仕事をしないベテラン警察官が集まるところでもあります。
いわゆる”ゴンゾウ”というやつですが、「交番でゆっくりできるからずっと地域課でいい」と言うベテランがいるのも事実です。
そういった意味でも地域課は人気があると言えます。
安定感が人気
多くの警察官に陰で支持を集めている部署が警務課です。
警務課は先ほど説明した通り、よほどのことがなければ現場に出ることはないので、落ち着いた状態で仕事をすることができます。
市民から相談を受ける機会はありますし、月に数回の当直勤務(夜勤)もありますが、それでも通報に対応することがないというのは警察官としては魅力的です。
警務課に関してもどちらかと言えば、「楽ができるから」という理由で人気と言えるでしょう。
それだけ警察官の仕事は激務であり、誰もが落ち着いて働ける環境を求めるものです。
実際、警務課は希望しても簡単にいける部署ではなく、警務課に異動できた人は「うらやましいなぁ~」とよく言われていました。
公務員を経験してよくわかりましたが、これがいわゆる公務員体質なのかとは思いました。
当時はデスクに座って仕事を続けるというのが魅力には感じなかったので、私自身は警務課をうらやましく思ったことはなかったです。
警務課は警察署の受付も1つの業務となっているので、市民からの相談や電話などを受ける機会は多い。
不良少年を更生させるやりがい
使命感をもって仕事に取り組めることで人気だったのは生活安全課の少年係です。
少年係は主に18歳未満の少年少女が被疑者となる事件に対応していく部署で、よくある万引き事件から他人を殺傷する重大事件まで幅広い捜査に従事します。
取調べの相手となるのは18歳未満の少年なので、その対応方法は成人被疑者とは異なります。
とにかく挑発をしてくる少年、まったく何も話さない少年、信じられない凶悪事件を起こした少年など、相手になる少年は様々なのでとにかく幅広い対応が必要であり、それだけ試行錯誤していくことが求められます。
一筋縄ではいかないことが多いですが、少しずつでも少年と信頼関係を築き、供述を聞き出していく過程は少年係の醍醐味と言えます。
さらになんといっても不良少年を更生させるというやりがいは少年係でしか得られないものなので、「少年を立ち直らせる」という使命感をもって働くこともできます。
少年係は難解な事件も多いですが、それを上回るやりがいを得られるため、少年係を目指す警察官は多かったです。
更生する少年や立ち直って成長していく少年を見届けられるのは何事にも代えられない醍醐味と言えるでしょう。
警察官を8年経験して感じた”警察官に人気の部署”についてはこのような結果となりました。
刑事、白バイ、パトカーに共通しているのは誰もが知っている仕事というところだと思います。
これらは警察官志望者でなくても知られている部署なので、必然的に人気が高いのだと考えられます。
また、意外なところで人気を呼んでいたのが警務課でした。
理由も意外なものですが、警察官にとって安定感をもって勤務できるというのはそれくらい魅力だということでしょう。
警察官に不人気の部署

続いて、警察官に不人気の部署について紹介していきます。
人気の部署がある一方で不人気の部署があるのも事実であり、私の現役時代はその傾向がはっきりしていました。
不人気の部署というのはなかなか希望者がおらず、人員の確保に苦労している部署でした。
もちろん好んでその部署で勤務している人もいましたが、どちらかといえば「あそこの部署には行きたくない…」と言われていることが多かったです。
そんな不人気の部署について、経験談を含めて紹介します。
圧倒的な不人気…
現役時代、圧倒的に不人気の部署として名を馳せていたのは留置管理係です。
留置管理係は警務課の係になりますが、警察署や警察本部の留置場で勤務をすることが仕事になっています。
留置場とは逮捕された被疑者が勾留されている場所であるので、留置管理係は留置場で生活する被疑者の身の回りの世話をするのが主な仕事となります。
留置場の生活は起床から就寝まで1日のスケジュールが決められており、被疑者はそのスケジュールに沿って生活をする必要があります。
ですので、留置管理係もそのスケジュール通りに行動する必要があり、食事の配膳やお風呂への案内などを行う必要があります。
留置管理係が不人気であった理由は
- 24時間ずっと室内で勤務をする
- 中には厄介な被疑者もいる
- 1つのミスが重大な影響を及ぼす
などがありました。
決められたことをただ淡々とこなしていくことが求められますし、色々なタイプの被疑者ともうまくコミュニケーションをとっていかなければいけません。
留置場で生活している被疑者は法律で人権が保障されているため、少しでも手違いがあれば大きな問題へ発展する恐れもあります。
また、留置場で勤務していると外に出る機会がほとんどないため、24時間勤務のうちで外の空気を吸える時間が1時間もないというのが当たり前です。
これらの理由からなかなか仕事のやりがいを見つけることが難しいというのが不人気の理由でもあるでしょう。
しかしながら、「のんびり仕事ができるから好き」といって留置管理係を好む珍しい人もいたのは事実です。
【Amazon】大阪ブタ箱物語―突然逮捕されて留置場にぶち込まれたらどうなる?仕事量の多さがネックに…
続いて紹介する不人気の部署は交通課です。
交通課は主に事故を捜査する事故捜査係と取締りを行う取締係に分かれますが、不人気で名を馳せていたのは事故捜査係です。
事故捜査係が不人気であった理由は
- 交通事故の件数が多い
- 交通事故の捜査が大変
- 交通事故は複雑なものが多い
ということがありました。
交通事故というのは世間の皆さんが想像している以上に多く発生していますし、必ず毎日どこかで発生するものです。
しかも交通事故には歩行者・バイク・車・公共交通機関が絡むものはもちろん、さらにその中で軽傷から重傷まで怪我の具合も様々な事故が発生しています。
この業務量をこなすのは並大抵ではなく、それを表すかのように精神を病む警察官や不祥事を起こす警察官が多かったのは交通課でした。
特に交通事故の捜査に行き詰まり、捜査書類を処分してしまう不祥事が多いのも特徴でした。
警察官経験者なら事故捜査の大変さを常に目の当たりにしているため、誰もが口を揃えて「交通課には行きたくない…」と恐れていました。
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意外と思われるかもしれませんが、生活安全課の生活安全係も不人気の部署でした。
生活安全係が敬遠されていた理由は厄介な相談が多いからです。
生活安全係は日常的なトラブルに対応することが多い係ですが、
- 夫婦のトラブル
- カップルのトラブル
- 親子のトラブル
- 恋愛感情が伴うドロドロのトラブル
など、少し厄介な相談が多いのが特徴です。
これらの相談は話を聞いて終わるだけのものがある一方、深くまで対応しないと重大事件に発展する恐れがあるものまで幅広いため、頭を悩ませることが多いです。
一昔前の警察は民事不介入というのが当たり前でしたが、現代ではそうは言ってられません。
ちょっとしたトラブルが殺人事件に発展することも珍しくないため、少しでも対応を誤ればすべて警察に責任が降りかかります。
そういった事件が発生した後、「事前に警察に相談していた」「警察はなにもしてくれなかった」といった報道が出ればなおさら大変なため、すべての相談に対して気が抜けません。
そのため、現在の警察は積極的に民事に介入していきます。
その中で最も対応が多くなるのが地域課と生活安全課ですが、最後の処理まで行うのが生活安全係となるため、その大変さから敬遠している警察官は多くいました。
私が現役警察官のとき、当時の生活安全課の課長からは「生活安全係だけは入るなよ。これからもっと大変になるぞ(笑)」と冗談半分で言われたのは今でも覚えています。
突発的な事案が入れば休日出勤も当たり前のため、生活安全課に入りたいと思っている方はそういった覚悟が必要になるでしょう。
警察官に不人気の部署は以上の通りとなります。
やはり激務な部署ほど不人気になる傾向があり、敬遠されがちになります。
実際、今回紹介した不人気の部署は希望者があまりいなかったため、やむを得ず希望していない警察官を異動させるという措置をとっていたくらいです。
あくまで一例ですが、これから警察官を目指す方には参考にして頂ければと思います。
なぜ人気・不人気がある?

最後になぜ警察官の仕事に人気と不人気があるのか?について解説していきます。
まず、私自身が警察官を目指したきっかけは「パトカーに乗りたい」という理由でした。
これは警察24時の影響が大きく、パトカーに乗って現場に急行する警察官、職務質問で次々と犯罪を検挙していく警察官を見ていつしか”こうなりたい”と思うようになりました。
だから警察官になってからはパトカー乗務員になることを希望していましたし、モチベーション高く仕事に取り組んだためすぐに希望を叶えることもできました。
パトカーに乗って仕事をしていて、多少のギャップはありましたが、大きくイメージが崩れることはありませんでした。
これはきっと人気がある刑事課や白バイにも同じことが言えると思います。
その一方、今回不人気の部署として紹介した事故捜査係や生活安全係は実際に警察官になってみてその大変さがよくわかりました。
逆に言えば、警察官になるまではその過酷さをまったく知らなかったので、仮にその部署に入ってみたらものすごくギャップを感じていたものだと思います。
やはり事前にその仕事をイメージできるかどうかは大事なので、なかなか陽の目を見ることがない部署は必然的に希望者が少ないのだと考えます。
そうすると、いつしか誰もが「行きたくない」と口にする部署になってしまい、不人気の部署へとなっていってしまうのでしょう。
所属していた県警では”負のイメージ”を変えるため、定期的に若手警察官に各部署での研修を実施する取り組みが行われていた。研修を行うことによって不人気の部署でも親しみを持ってもらい、希望者を増やすのが狙い。
ちなみに私自身が絶対に行きたくないと思っていた部署は交通課の事故捜査係です。
交通事故は無限に毎日発生しますし、その中で大きな交通事故が発生することも珍しくはありません。
交通事故は当事者の証言も曖昧であり、捜査をしても明確な答えが出ないこともしばしあります。
また、ひき逃げや飲酒運転はさらに難解な捜査となるため、素早く仕事をさばかないと仕事が溜まっていく一方となります。
こうなると長時間の残業をしても処理が追い付かず、挙句の果てに休日出勤をして仕事をしていくことになります。
実際、仕事が溜まりすぎて限界まで追い込まれている交通課の警察官は数え切れないほど見てきました。
あのような状況を見ていると自然と交通課に入りたいとは思いませんでしたし、交通課に異動がかかることを恐れている同僚はたくさんいました。
案の定、私が所属していた県警では交通課が不人気であり、人手不足の問題をも抱えていました。
各部署によって違いがあるのは当然ですが、働き方は少しずつでも改善していかなければいけないことだと思います。
これから実際に警察官になる方は働いてみると色々なギャップを感じる場面はあるでしょうが、それは受け入れていくしかありません。
不人気の部署があるのは確かですが、必ずやりがいはあります。
自分なりのやりがいを見つけてもいいでしょうし、何か目標を設定するとモチベーションを保ちやすいと思います。
まとめ
今回は警察官に人気の部署&不人気の部署について紹介してきました。
今回の記事をまとめると警察官に人気の部署は
- 刑事課
- 白バイ
- 地域課&パトカー
- 生活安全課少年係
- 警務課
ということになりました。
その一方、警察官に不人気の部署は
- 警務課留置管理係
- 交通課事故捜査係
- 生活安全課生活安全係
という結果になりました。
今回紹介した内容はあくまで私自身の経験談を含むものですので、全国の都道府県警であてはまるものではないと思います。
警察官志望者の方にはすべてを信じてもらいたいわけではありませんが、少しでも参考にして頂ければ幸いです。
警察官になったら入りたい部署がありますが、人気の部署ってあるんですか?