“警察学校の厳しさ”についてはTwitter(@fujita_yuki_pm)のDMでよく頂く質問の1つです。
警察学校というキーワードを耳にすると一度経験した人なら誰もが「あんな生活には戻りたくない」とついつい本音が漏れてしまうものです。
警察学校が厳しい場所であるところは間違いありませんし、警察学校に入校するということはそれだけの覚悟が必要ですので、生半可な気持ちでは決して続きません。
警察学校が厳しいと言われる理由は
- 自由のない生活
- 厳しい規律
- なにをやっても怒る教官
- 重苦しい集団生活
など様々な要因があり、正直に言って数えだしたらキリがありません。
確実に言えることは辛い思い出の方が多いということです。
「できることなら警察学校に入校せずに警察官になりたい」
誰もがそう思うものですが、残念ながらそれはできません。
警察学校は大学や専門学校と違い、警察官採用試験に合格したら必ず入校しなければいけない場所です。
もっと言うと警察学校を卒業しないと警察官として現場で勤務することはできません。
これは警察官に限らず、警察職員も同じです。(警察職員の場合は約1か月の入校)
警察官になりたいと思っているならば、警察学校は避けては通れない道であることを覚えておきましょう。
各都道府県の警察官採用試験に最終合格
合格した都道府県警の警察学校に入校
大卒なら6か月、高卒なら10か月の教育を受ける
警察学校を卒業して赴任先の警察署に配属
【警察学校退職】パワハラ、いじめ、不祥事…警察学校を退職する人の主な理由とは?
警察学校は一人前の警察官を目指して授業や訓練に励む場所。警察学校に入校した時点で身分は警察官となり、「初任科生(しょにんかせい)」と呼ばれるようになる。全寮制の生活となり、大卒なら約6か月、高卒なら約10か月の入校期間となっている。
志望する都道府県警のHPを見れば警察学校に関することが様々な角度から紹介されていますが、それはあくまで表向きな情報だけです。
警察学校は入校しても早々に退職してしまう人がいるくらいなので、事前の情報収集は非常に大事だと言えます。
私自身、ほぼなにも知らない状態で警察学校に入校したため、入校当初は日常生活との違いにショックを受けることの連続でした。
驚くことが多かったので、ある程度の知識を持って警察学校に入校することでスタートダッシュに成功することは間違いありません。
そこで、この記事では「警察学校はどれくらい厳しいのか?」をテーマに元警察官が警察学校について詳しく解説します。
これから警察学校に入校する方や将来警察官を目指している方の参考になれば幸いです。
目次
警察学校とは?
まずはそもそも警察学校とはどんなところなのか?について解説していきます。
警察学校とは警察官採用試験の合格者が入校する警察官の養成所のような場所で、各種教養や訓練を受けて一人前の警察官を目指します。
また、警察官としての基礎知識や技術の習得だけでなく、倫理観の勉強も行い、責任や自覚を兼ね備えた真の警察官を育成する学校となっています。
「学校」という名前が付いているので、お金を払えば入校できると思われがちですが、あくまで警察官採用試験に合格した者しか入校できません。
警察学校は大卒なら6か月、高卒なら10か月の入校期間があり、卒業すると同時に警察署へ配属され、警察官としての実戦勤務がスタートします。
警察学校は入校した時点で身分が警察官となり、地方公務員として勤務を行う形になるので毎月給料も支給されます。
警察学校に入校すれば警察官の一員ですので、プライベートにおいてもその意識を忘れてはいけません。
当然ながら不祥事を起こせばニュースになってしまいます。
警察学校には一人で入校するわけではなく、同じタイミングで入校する同期が多数存在します。
後述しますが、警察学校は自由気ままに生活できるところではないので、厳しい規律や集団行動になるという点は必ず理解しておかなければいけません。
また、警察学校は卒業することが目的ではなく、あくまで現場で勤務するための土台を作る場所なので、明確な目標を持って生活していく必要があります。
厳しい話をするとわずか1日や1週間で退職していく同期も珍しくはないので、強い意志を持っていないと続かないでしょう。
警察学校ではとにかく教官から怒られる
警察学校の思い出として一番に思い浮かぶことが「教官から怒られたこと」です。
警察学校ではとにかく教官から怒られますし、それは入校初日に警察学校に一歩足を踏み入れたところから始まります。
大げさな話、警察学校における教官は神様のような存在なので、絶対服従が求められます。
入校初日から大きな声で怒られる機会がたくさんありますが、ただひたすらに従うしかありません。
会社員を辞めて警察学校に入校した私は「なんでこんなに怒られるの?」と驚きました。
まずは怒られることに耐えていかなければいけないので、警察学校はそういった場所であることを覚えておきましょう。
最初からこの覚悟を決めておけばショックも少なくて済むはずです。
ときにはとんでもなく理不尽なことで怒鳴られることがありますし、理解ができないことで怒られることもあります。
もちろん反抗的な態度を示すことは許されませんし、どれだけ理不尽だったとしても受け入れるだけです。
怒られることを毎回気にしていては身体がもたないので、こういったことにも動じない精神力は身に付けていく必要があります。
警察学校での実話を公開中!【実録警察学校#1】集団でバスに乗っていざ警察学校へ…
警察学校を卒業して現場で働くようになれば、どんな市民を相手にするかわからない。ときには警察官に向かってくる者もいるため、そういった場面でも動じないためには警察学校でしっかりと修行を積んでおく必要がある。
ですので、「理不尽に怒られることは嫌だ」という方には絶対に耐えられません。
早い人であれば入校初日に退職することがありますし、最初の1か月で約1割の同期が退職してしていくものだと思っていてください。
それだけ警察学校は厳しいところです。
これまでの日常生活とは大きく異なる世界ですので、しっかりと気持ちを入れ替えて臨むようにしましょう。
教官からは感覚が麻痺するくらい怒られますので、怒られても「すみませんでした」「申し訳ありませんでした」と答えることがやっとです。
そんな場所に行きたいと思う人はなかなかいないと思いますが、警察官を目指すならば避けては通れない道です。
逆に言えば、今現場で活躍している警察官はすべて同じ道を乗り越えてきています。
警察学校を卒業して警察署に赴任すると、そこでも厳しい先輩や上司が待っている。新人警察官は怒られて当たり前の立場なので、怒られることには慣れておかなければいけない。
警察官の仕事は精神的な強さがないと絶対に続きません。
なぜなら警察官は
- 言いたい放題の相手
- 警察官に敵意を示す相手
- 興奮する相手
などの対応をしていかなければいけないので、「それくらい平気だ」と思えるようでないと厳しいです。
もちろん、警察学校の教官はこのようなことを見越してあえて厳しく接してきます。
警察学校の教官が優しくてもなんの意味もありません。
警察学校が厳しいからこそ現場での勤務にも耐えられますし、強い精神力が身に付くから毅然とした対応ができるのです。
警察学校卒業後の方が遥かに理不尽なことが待っていることは忘れてはいけません。
教官に怒られて大変な思いをすることは間違いありませんが、その先をしっかり見据えて過ごしていくことが大事になります。
警察学校では自由のない生活に耐える
続いては警察学校では自由のない生活に耐えることについて紹介していきます。
実は教官から怒られることについてはすぐに慣れます。
怒られるのが日常ですので、怒られてもなんとも思わなくなりますし、腹が立つこともほとんどありません。
先ほど述べた通り、警察学校では教官が神様のような存在であるため、何でも従う精神は自然と身に付きます。
それ以上に警察学校が厳しいと感じる理由の1つに自由のない生活ということが挙げられます。
警察学校では様々な厳しい規律がある上、自由な時間が限りなく0に近いので、慣れるまでは苦痛に感じるかもしれません。
警察学校は全寮制となりますので、どれだけ近所に住んでいても自宅から通うことはできませんし、気軽に家に帰ることもできません。
経験のない方にとっては”寮での集団生活”というのが高いハードルに感じるでしょう。
また、警察学校に入校して最初の1か月は指導強化期間と呼ばれ、自宅に帰ることはおろか携帯すら触れない生活となります。
その後も警察学校によっては平日は携帯NGというところがあるので、携帯が欠かせない現代人にとってはかなりきつい生活になるはずです。
もちろんテレビを見ることもパソコンをすることもできないので、こういったことまで制限される場所であることは覚えておく必要があります。
警察学校生活の実話を公開中!【実録警察学校#11】指導強化期間も佳境に突入
指導強化期間中はとにかく教官からの追い込みが激しく、退職者が続出する。警察学校は最初の1か月が大きな山場となる。
また、警察学校では一人になれる時間が極端に少ないという事情もあります。
警察学校の寮は基本的に大部屋+個室となっており、就寝するときだけ個室に入るという形式が多いです。(地域によっては大部屋しかないところもあります)
大部屋は5~6人ほどの学習机が置かれており、勉強や課題に取り組むときはこの大部屋で行うことになりますので、基本的には部屋にいても誰かが横にいるという生活です。
人によってはかなりの息苦しさを感じることになるでしょう。
食事も風呂も同期と一緒に行動をしますので、一人きりになれるのは布団に入るときくらいになります。
プライバシーも確保されていないような生活ですが、警察官なら乗り越えていくしかありません。
警察学校におけるルールは都道府県によって違いがある。指導強化期間後、平日の夜は携帯が触れるところがあれば、平日は一切携帯が触れないというところもある。
ちなみに私が入校していた警察学校は
- 平日は携帯電話が没収される
- 携帯電話は金曜の夜から使える
- 平日は外出できない
- 帰宅できるのは週末のみ
という規則の警察学校でした。
今どきの若い世代にとっては信じられない生活かもしれませんが、警察学校に入校すれば6か月もしくは10か月はこのような生活に耐えなければいけません。
携帯電話については毎週金曜の夜には一旦戻ってきていましたが、携帯電話が恋しくなるのは貴重な経験と言えます。
また、週末に自宅に帰れるようになるのも指導強化期間が終わってからの話です。
警察学校が厳しいと言われる理由はこういった自由のない生活を送らなければいけない点も大きくあると思います。
警察学校に入校したらこれまでの生活とは180度変わることを覚えておきましょう。
個人プレーは許されない集団生活
警察学校で生活していく上で重要になってくるのが同期とうまくやっていく協調性です。
警察学校はすべてがクラス単位の集団行動となるため、個人の考えで勝手に動くことはできませんし、1人で自由に行動することもできません。
先ほども説明した通り、警察学校では寝るとき以外、常に同期(クラス員)と行動をともにします。
また、普段の生活は分単位で行動するほど忙しいですが、それもすべて集団で行動することになります。
それだけ全員で足並みを揃えて行動していかなければいけませんので、周りにしっかりついていくことも求められます。
その中でも同期とは連携し、協力して物事を進めていかなければいけません。
自由がない+個人で行動することもできないという点は警察学校が厳しいと感じる大きな要因です。
警察学校では個人プレーが絶対にNG。常に周りに合わせて行動しなければいけないので、個人で勝手に動くことはできない。決められた集合時間などもしっかり守る必要がある。
集団生活となる警察学校ではなにより協調性が大事になります。
逆に言えば、協調性がないと警察学校ではやっていけませんし、次第にクラスから干されることになり生活そのものが苦しくなっていきます。
※協調性…自分と異なる考えや意見を持つ人たちと協力しながら同じ目標に向かって行動していく能力のこと
警察学校の1つのクラスは春入校だと30~40人です。
1つのクラスでこれだけの人数がいるので、人それぞれの考え方がありますし、性格もバラバラです。
何か議論をすれば全員の意見が一致することはありません。
ですが、クラスで決められたことには従う必要があります。
「俺はそんなことやりたくない」と思っても周りに合わせていかなければいけません。
クラスを仕切るのは総代になりますが、基本的に総代の決定には従っていく必要があります。
※総代…学級委員長のような役割で、クラスの先頭に立つ存在
警察学校の総代について詳しく解説!総代はどうやって選ばれる?役割は?出世しやすい?
私はサラリーマンの経験がありましたので、同期とはうまくやって楽しく過ごしていましたが、自分勝手な行動をする同期は干されていました。
自分勝手な者がどのような扱いをされるかというと
- 同期から厳しく当たられる
- 少しの失敗でも同期から叱責される
- 教官からもターゲットにされる
という感じでした。
警察学校で同期から嫌われることは致命的なダメージとなってしまうので、十分に気を付けなければいけません。
周りの同期は自分の考えとは違うことが当たり前ですので、うまく協力してやっていく必要があります。
警察学校での生活をともにする同期はかけがえのない存在。困ったときはお互い助け合う精神が大事なので、同期から嫌われて得することはない。
警察学校の集団行動では全員が同じ方向を向いていかなければいけません。
一人でも違う方向を向いていればそれを正していくのが同期の役目ですし、言うことを聞かないのであればさらに別の手段も考えていく必要があります。
これを警察官の現場での活動に例えると、規律を守らなければいけない場面で誰か一人でも自分勝手な行動をすれば、その集団が全滅してしまう恐れがあります。
ですので、厳しい世界ですが、協調性のない者は追い込まれる傾向があります。
一般の感覚だと「警察学校でいじめ?」と思われる部分もあるでしょうが、警察学校は一般の学校とは違います。
確かに「みんなで仲良く卒業すること」ができれば一番いいかもしれませんが、警察学校ではその必要はありません。
警察学校は給料が発生していますし、あくまで一人前の警察官を目指して知識や心構えを身に付ける場所ですので、みんなで仲良くする必要はないのです。
もちろん普通に生活している分には同期と仲が悪くなることはありませんので、協調性をもって生活をしていれば問題ありません。
このような生活はほとんどの人が経験がないと思うので、慣れるまではとても苦労することだと思いますが、警察官として必要になることです。
警察官の仕事はとにかくチームプレーの仕事ですので、警察学校を卒業してからも必要なことであることは覚えておきましょう。
警察学校では体力も欠かせない
警察学校が厳しいと感じる要因の1つに体力の問題があります。
警察学校では入校初日から走らされる可能性があり、その後も当たり前のように毎日ランニングを行います。
そのほかにも様々な訓練を行うことになるので、とにかく体力が欠かせません。
- 運動部の経験がない
- 走ることが苦手
という人にとっては厳しいと感じる場面は多いでしょうし、周りについていくだけで精一杯になります。
警察学校は毎朝のランニングに加え、体育の授業、警備実施訓練、20mシャトルラン、1500m走などとにかく走る機会が多いのが特徴です。
事前にしっかり体力トレーニングを積んでおかないとクラスから遅れをとることになりますし、なにより怪我をする原因になります。
実際、ある程度のトレーニングを積んでいった私でも毎日のように走ることは結構きつかったです。
体力の限界まで追い込まれる場面もありましたので、そういった点では非常に厳しいところだと感じました。
特に運動が苦手な方にとっては苦痛に感じる場面が多いでしょう。
警察官の仕事は昼夜を問わず働かなければいけないため、体力勝負の仕事となる。そのため、警察学校でしっかり体力をつけることは大きな意味がある。
「体力がまったくないからダメか…」
そう思った方は多いかもしれませんが、実はそこまで心配する必要はありません。
警察学校で体力が欠かせないことは間違いありませんが、嫌でもたくさん走らされますので、自然と体力はついていきます。
警察学校での生活を積んでいくと慣れていくものです。
意外と思われるかもしれませんが、体力不足を理由に警察学校を辞める人はほぼいません。
走ること以外にもあらゆる場面で筋力トレーニングを行いますが、これも慣れていきます。
警察学校でここまで体力を鍛えるのには大きな理由があります。
警察学校を卒業して現場に出ると休憩時間が必ず確保されているわけではありませんし、どれだけ空腹でもどれだけ眠くても極限状態の中で力を発揮しなければいけない場面が出てきます。
精神的にも体力的にも限界を感じても警察官は毅然と職務を全うしなければいけません。
警察官はそれほど過酷な仕事ですので、警察学校にいるうちに鍛錬を積んでおくことが必須です。
警察学校できついと思っているようでは現場ですぐに限界がきてしまうので、慣れるだけでなく、体力を向上させることを目標にしましょう。
怪我だけは要注意
警察学校は入校初日から走る機会があるので、すぐに怪我をしてしまう者がいる。怪我をすると色々と遅れをとることになるので、事前の準備をしっかりしておこう。
警察学校に入校する前に走り込みはしっかりやっておくようにしましょう。
体力をつけるのはもちろんですが、体を動かすことに慣れておくことが非常に重要です。(特に下半身)
まったく運動をしていなかった人が、警察学校に入校していきなり激しい運動をするとすぐに怪我をします。
特に足首や膝の怪我をする人が多いので、走ることにはしっかり慣れてく必要があります。
事前準備をしておかないと大変苦しい生活になりますので、入校が決まったら計画的にトレーニングをしていきましょう。
また、女性でも男性とまったく同じメニューをこなしますので、女性でも同じように準備しておく必要があります。
私の担任教官はとにかく厳しい方だったので、本当に毎日のように吐く寸前まで追い込まれました。
朝から限界まで追い込まれることも多かったため、毎朝が憂鬱だったのを覚えています。
それでもその厳しさのおかげで確実に体力は向上しましたし、その厳しさを乗り越えた達成感も味わうことができました。
これは間違いなく警察官を辞めた今でも財産になっていることです。
定期試験&各種検定が待ち受ける
警察学校が別の意味で厳しいと感じる理由は定期試験&各種検定です。
警察学校では一般的な学校と同じく、決まった時期に試験や検定があります。
いずれの試験も非常に重要なものとなりますので、初任科生は日々試験に向けて勉強に励むことになります。
1つ注意しなければならないのは警察学校で行われる試験はいい点数をとって当たり前であるということです。
その理由は
- 警察学校は給料が発生しているので勉強が仕事になる
- 毎日机に向かって勉強する時間がある
- 授業で習ったことしか出題されない
というところにあります。
当然、試験なので全員に点数がつきますし、平均点よりも悪い点数であれば赤点がつきます。
いい点数をとって当たり前の試験で悪い点数をとることは許されず、場合によってはクラス全体で連帯責任をとらされることもあります。
警察学校に入校中は常に勉強をしていかなければいけないので、その点でも警察学校が厳しいと感じやすいかもしれません。
試験前は外泊が禁止になったり、消灯時間が延長されて勉強時間が拡大されたりするなど、全員が本気で試験に臨む態勢となる。勉強することが仕事になることを忘れてはいけない。
また、警察学校では定期試験のほかに検定も行われます。
警察官の仕事は確かな技術や知識が求められるので、各種検定に合格しないと取り扱えない業務もあります。
一般的な資格試験のようなものだと思ってもらえればイメージがしやすいと思います。
検定も日々の成果を発揮するものになりますし、合格に向けて勉強や練習を行うので、合格して当たり前になっています。
不合格になれば現場での仕事に影響が出るものもあるので、定期試験と同様に非常に重要なものになります。
警察学校で行われる試験や検定については下記の記事で詳しく解説しています。
【警察学校】警察学校で行われる試験や検定とは?警察学校で行っていた勉強方法も紹介!
- 柔道・剣道の試験
同期同士で試合を行い、勝敗を争う。最終的には初段を目指す。
- 鑑識検定
鑑識に関する知識・技術が試される検定。
- 二輪検定
バイク運転の実技試験を行い、筆記試験も行われる。
警察学校の生活は時間が経てば慣れていきますが、常にこういった試験・検定が待ち受けていますので、緊張感のある生活であることは変わりません。
すべていい点数をとって当たり前、合格して当たり前という風に見られていますので、1つでも失敗をすれば周りから遅れをとることになります。
実はこういったプレッシャーとの戦いが地味にきついのが警察学校の生活です。
自分だけ悪い点数をとったら…
自分だけ不合格になったら…
試験や検定がある度にこのような不安に打ち勝っていかなければいけません。
精神的に追い込まれる部分でもありますので、警察学校ではこういった厳しさも乗り越えていく必要があります。
警察学校をなんとか卒業した同期の末路…
実は警察学校は慣れてしまえば警察官としてはとても楽な生活が送れる場所になります。
なぜなら警察学校では決められたカリキュラムをこなすだけであり、カリキュラムの範囲を超えるような事件が起きる場所ではないからです。
ここまで警察学校は厳しいということを散々言っておきながら少々矛盾する話になりますが、その理由について解説していきます。
確かに警察学校は慣れるまでが大変ですし、慣れても厳しいと思うことはたくさんあります。
入校して数日で何名もが退職し、最終的には1~2割が辞めていく世界ですので、楽ができるところではありません。
しかし、決まった時間に食事がとれて、決まった時間に寝ることができるのは警察学校だからこそです。
授業も時間が経てば終わるし、午後5時半になれば日課時限も終わるため、ほぼ毎日がスケジュール通りに進んでいきます。
警察人生の中でこれほど安定した生活を送れるのは警察学校が最初で最後になります。
現場で働くようになると”いつ何が起きるかわからない”という時間軸の中で勤務を行っていきます。
警察学校が厳しいのは確かですが、卒業後の方がはるかに大変です。
警察学校を卒業することだけを目標にしていると、卒業後に痛い目を見ます。
警察学校はあくまで通過点に過ぎません。
- 決まった時間通りの行動ができる
- 夜中に起こされることがない
- 命の危険がない
- 言われたことをやっておけば時間が過ぎる
そのため、警察学校を卒業したからといってそれだけで即戦力になれるわけではありません。
警察学校を卒業しただけで一人前の警察官になれることはないので、ただ単に卒業を目標にしていると痛い目を見ることになります。
1つ実際の事例を紹介しておきます。
私の同期で警察学校を卒業することを目標にしている者がいました。
この同期は自分勝手な行動をとることが多く、ときにはケガをしたフリをして訓練を休むなどしていました。
当然ほかの同期からは良いように思われておらず、多くの同期が「こいつはすぐ辞めるだろう」と思っていましたが、なんとか警察学校を卒業していきました。
なにがあっても辞めない精神力は立派なものでしたが、これが現場で続くわけがありません。
案の定、配属された警察署でも仮病を使って休むなどしており、結局警察学校を卒業してからわずか3か月で退職する結果となりました。
「なんとか警察学校だけは卒業するぞ」と思っていると、卒業してから非常に困ることになります。
あくまで警察学校は通過点であることを覚えておいてください。
大事なことは警察学校を卒業することではなく、現場で活躍できる警察官になることです。
まとめ
今回は警察学校ってどれくらい厳しいのか?というテーマでお送りしました。
今回の記事をまとめると警察学校は
- とにかく教官から怒られる
- 自由がない生活を送る
- 個人プレーが許されない集団生活
- 体力も欠かせない
- 試験や検定が待ち受けている
という理由から厳しい場所であると言えます。
しかし、警察学校を卒業して現場で働いていると、警察学校に戻りたいとは思いませんが、「警察学校の方が楽だった」と確実に思えます。
もちろん入校当初はそんな余裕もなく、教官や同期についていくのに精一杯のはずです。
実際、私は元サラリーマンという立場で警察官になりましたが、警察学校では様々なカルチャーショックを受け、驚くことも多かったです。
入校当初は怒られる度にビクビクしていましたし、訓練を受けるのも本当に憂鬱でした。
それでも警察学校を卒業するころには精神力も忍耐力も強くなっていました。
体力だって入校当初とは比べものにならないほどついています。
これらは必ずその後の警察人生で生きていくものですし、警察官として必要なことでもあります。
「警察学校が楽だった」と思える日はしばらく先になりますが、厳しい訓練を乗り越えた先には何事にも代えがたい達成感を味わうことができます。
警察学校が通過点であることは忘れてはいけません。
私は警察官を退職してしまいましたが、これから警察官になる方は是非立派な警察官になって日本の治安を守ってください。
警察官は最後の砦です。
警察学校ってどれくらい厳しいところなんですか?