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【警察学校】なにが違う?警察学校の春入校と秋入校についてそれぞれの違いを詳しく解説

警察学校の春入校と秋入校の違いは?
警察学校の春入校と秋入校はどのような違いがあるんですか?

警察学校に入校する時期はほとんどの都道府県で春と秋の2回あります。

(警視庁などの入校生が多い警察学校は年に3~4回入校するタイミングがある)

もちろん春入校でも秋入校でも授業や訓練の内容は変わりませんし、教官の厳しさも変わりません。

それでも実はそれぞれでちょっとした違いや特徴があり、メリット・デメリットも存在します。

まず、春入校と秋入校の一番の違いは同期の人数の違いです。

春入校は新卒の高卒学生と大卒学生の入校がメインとなるため、1年間で最も多い人数の入校がある時期となります。

逆に秋入校は浪人組や転職組が多くなりやすいため、入校する人数としては少ない傾向にあります。

この他にも春入校と秋入校ではそれぞれ特徴があるので、今回はその違いについて紹介したいと思います。

 

入校の時期は選べる?

警察官採用試験に合格した後、入校については後日案内があり、事前に入校説明会も行われる。入校する時期については指定されることがほとんどなので、特別な事情がない限り自分で選ぶことはできない。

 

警察学校の入校時期については警察官採用試験の面接でも確認される場合がありますので、しっかり答えられるようにしておきましょう。

私自身は転職組でしたので、面接では実際に「秋に入校できるよね?」と確認されました。

入校する時期については自分で選ぶことはできませんが、その違いについて予備知識として知っておくだけでも参考になると思います。

そこで、この記事では警察学校の春入校と秋入校の違いについて紹介し、それぞれの特徴についても詳しく解説します。

今回の話は主に初任科生が多い都市部の警察学校での話に当てはまると思いますが、地方の警察学校に入校する方にも参考になると思います。

 

目次

春入校と秋入校の違い

警察学校の春入校と秋入校の違いは?

まずは春入校と秋入校の違いについて解説します。

冒頭でも少し説明しましたが、春入校は高校を卒業した人や大学を卒業した人がメインとなるため、人数が多いこと平均年齢が若いことが大きな特徴となります。

新卒の場合は在学中に警察官採用試験を受験するので、学校を卒業するまでは警察学校に入校することができません。

そのため、新卒は必然的に春入校になるというわけです。

逆に言えば新卒で秋入校になる可能性はかなり低いので、新卒=春入校と思っておけば問題ありません。

春は警察学校の1年間の中で最も多い人数が入校する時期になり、多いところであれば300~400人が入校することもあります。

 

転職組=必ずしも秋入校ではない

転職組が必ず秋入校になるわけではなく、春入校になる転職組もいる。あくまで入校する時期は指定されることを覚えておこう。

 

そして、秋入校はどちらかと言えば転職組や第二新卒組が多いため、人数が少ないこと平均年齢が高いことが特徴です。

私自身が大卒の転職組で秋入校でしたが、まさにこの通りでした。(26歳で入校)

同期の人数としては約70人程度で、年齢幅は上は30歳から下は24歳までで、25歳以上が半分以上いました。

先輩や後輩の秋入校の期生ではクラスが1クラスしかなく、同期が30人未満という期生もあったくらいです。

春でも秋でも授業や訓練の内容はまったく変わらないのですが、この人数というのが警察学校では1つ重要な要素となっており、大きな違いを生む要素となっているのです。

 

 

春入校のメリット

警察学校 春入校のメリット

警察学校の春入校のメリットについて紹介します。

やはり春入校は人数が多いということが最大のメリットで、ここが秋入校と大きく違うところです。

警察学校での生活全般を考えると春入校に分があると言えるかもしれません。

 

  • メリット① 知り合いが多くなる

まず冒頭から説明している同期の人数が多いということですが、これはそれだけ警察組織に知り合いが多いということになるので、大きなメリットと言えます。

警察官は定期的に警察署や本部に異動する機会があるので、異動先に知り合いがいるかどうかというのは重要な要素となります。

知り合いがまったくいないところに異動するのはとても不安な気持ちになるものですし、もし異動先に同期がいれば心強い存在です。

また、警察学校を卒業して最初に赴任する警察署においても一緒に赴任する同期が多ければ多いほど心の支えになります。

秋入校だと赴任先に配属される新人が自分1人だけ…ということも珍しくありません。

 

  • メリット② 警察学校での業務が楽

これも人数が多いことに関係するのですが、警察学校では授業や訓練を受けるだけでなく、初任科生は様々な業務を行わなければいけません。

まず警察学校でのクラスには総代・副総代などクラスをまとめる役員のほか、円滑なクラス運営のために各委員が必要になります。

例えば体育委員なら体育の授業に関する準備や教官への指示伺いを担当し、柔道・剣道委員なら柔道・剣道に関する同様の業務を担当します。

また、この各委員のほかに毎日教場当番というものがあります。

教場当番は教官への提出物の提出や1日のスケジュールの確認などの業務を行うもので、その日1日の責任者とも言えます。(普通の学校でいうところの日直当番と同じ)

このように警察学校では一人一人が必ず様々な業務を担当しなければならないので、人数が多ければ多いほどこれらをしっかり分担できることがメリットと言えます。

 

  • メリット③ 警察学校の警戒勤務が楽

警察学校では24時間365日、初任科生が警戒勤務についており、常に不審者の侵入や警察学校に異常がないかを確認しています。

この警戒勤務は当番制となっており、すべての初任科生が日々順番に勤務につくことになっています。

警戒勤務は午前、午後、深夜などで交代制になっており、当然ながらまだ体が慣れていない深夜の勤務が一番辛いものになります。(深夜の勤務を終えた翌日も通常の予定をこなさなければいけない)

しかし、同期の人数が多ければそれだけ当番の回ってくる回数が少ないので、春入校だと警戒勤務に当たる回数は少なめです。

警戒勤務は当たる回数が少なければ少ないほど楽なので、春入校のメリットと言えるでしょう。

 

POINT

警察学校の警戒勤務は通常休みに入るGWや年末年始も行わなければいけないので、当番に当たってしまった場合は勤務につかなければいけない。もちろん振替休日などはないため、勤務につく確率が高ければ高いほど損をする。

 

  • メリット④ ターゲットにされにくい

これはメリットと言っていいのかよくわかりませんが、秋入校とは大きく違う点です。

警察学校で勤務する教官の人数には限りがあり、春入校で初任科生が多いからと言って教官の数も多くなるというわけではありません。

そのため、春入校の場合は教官は限られた人数で多くの初任科生を見なければいけないので、初任科生を怒るだけでも大変になるのです。

そうなると一人一人にきめ細かい指導ができないため、初任科生から見れば結果的にターゲットにされにくいというメリットが出てきます。

人数が多いと教官も初任科生の名前と顔を覚えるのが大変なので、1つ1つの細かいところまで把握することが困難です。

警察学校では怒られれば怒られるほど精神力や忍耐力が身に付くのですが、人によっては怒られたくないという人もいるので、そういう人には人数が多い春入校がいいかもしれませんね。

 

 

秋入校のメリット

警察学校 秋入校のメリット

次に秋入校のメリットについて紹介します。

秋入校は春入校と違って人数が少ないですが、人数が少ないことによってメリットになることがいくつかあります。

私自身が秋入校でしたので、秋入校のメリットについてはよくわかっています。

 

  • メリット① 同期がすべて知り合いになりやすい

これは春入校のメリット①と少し似ているのですが、秋入校の場合はクラスも人数も少ないので、それだけ他クラスの同期とも知り合いになりやすいです。

春入校の場合も確かに知り合いの同期が多くなるのですが、人数が多すぎると「え?あなた同期だったの?全然知らない」なんてこともよくあります。

秋入校の場合は人数が少ないだけに他クラスの同期とも接する機会が多いため、場合によってはすべての同期が知り合いになるなんて場合もあります。

私も実際にそうでしたが、他クラスのほとんどの同期と面識があったため、どこかの警察署で会えば会話をするという関係になれました。

 

  • メリット② 検定の再試験が行われやすい

警察学校では様々な検定があり、卒業するまでにすべての検定に合格しなければなりません。

警察学校で行われる検定は受験すれば合格できるなんて甘いものではなく、合格点に達しなければ容赦なく不合格にされるものとなっています。

各種検定を不合格のまま警察学校を卒業することも多々あり、その場合は赴任先の警察署の上司から「なにやってたんだ!」と怒られるのが普通です。

そのため、警察学校の各種検定は確実に合格しなければいけないのです。

しかしながら、すべての検定において全員が一発で合格するというのもなかなか難しい話。

検定については基本的に再試験が行われないのですが、実は秋入校は再試験が行われやすい傾向にあるのです。

それは単純に人数が少ないので、検定自体が比較的短時間で終わるため、「余った時間で再試験」という流れになりやすいからです。

これは人数が多い春入校ではなかなか見られないメリットで、秋入校ならではと言えます。

もちろん確実に毎回再試験が行われるわけではないので、すべて一発合格を目指すようにしてください。

 

  • メリット③ 時間に余裕が生まれやすい

秋入校は人数が少ない分、授業や訓練に時間的な余裕が生まれやすい傾向にあります。

これは40人(春)30人(秋)のクラスがあれば、必然的に30人のクラスの方が統制がとりやすく、迅速に行動しやすいからです。

わずかな時間でありながらもそれを積み重ねることによって時間的な余裕ができやすく、春入校に比べるとゆったりできる時間が生まれやすいです。

もちろん入校当初の怒涛のような忙しさに変わりはありませんが、なにをやるにしても人数が少ない方がスマートに進みやすいのです。

 

 

春入校のデメリット

警察学校 春入校のデメリット

ここからはそれぞれのデメリットについて紹介していきます。

春入校のデメリットはメリットの裏返しになりますが、ずばり人数が多いことです。

この人数が多いというのはメリットになればデメリットにもなるというもので、春入校のデメリットはこの人数の多さに関係するものがほとんどです。

 

  • デメリット① 同期なのに顔すら知らない

春入校は人数が多いため、他クラスの同期は顔すら知らない存在です。

同期として同じ時期に警察学校に入校しているのに存在すら知らず、10年後に同じ警察署で勤務することになって実は同期だったということが発覚することも珍しくありません。

なんとも寂しい限りですが、特に都市部の警察学校の春入校だとこういったことが当たり前です。

知り合いが増えるというメリットもあるのですが、それと同じくらい知らない同期も多いというのがややデメリットです。

 

  • デメリット② 時間の余裕がない

警察学校は決められたカリキュラムをこなしていくため、基本的には忙しい毎日を送ることになります。

ときには分単位での行動が求められることもあり、なかなかゆっくりする時間はありません。

そんな状況に追い打ちをかけるのが春入校の人数の多さです。

そもそも1クラスの人数が多いため、集団行動をするにしても余分に時間がかかり、それだけ時間の余裕がなくなっていきます。

秋入校のメリット③でも紹介しましたが、春入校は検定などにおいても時間の余裕がまったくないため、再試験が行われる可能性がとても低いです。

人数が多い分、なにをやるにしても時間がかかってしまうので、その点は非常にデメリットと言えるでしょう。

 

  • デメリット③ 質の悪い同期が多い

一部の転職組などを除けば警察官採用試験の合格者の大半が春入校となるため、春入校は質の悪い人間が同期となりやすいです。

ときにとんでもない人材が紛れ込んでいるため、人数が多いというのも影響しているのでしょうが、それだけ春入校は不祥事が起きやすい傾向にあります。

私の先輩では400人以上が春に入校した期生があったのですが、不祥事連発&退職者続出で入校したうちの約2割がいなくなるという事態になりました。

びっくりするような事件が起きるのも春入校の傾向として1つありました。

 

 

秋入校のデメリット

警察学校 秋入校のデメリット

秋入校のデメリットについてはやはり人数の少なさに起因するものが基本となります。

私自身が秋入校で人数が少ない中で生活していたので、人数の多い春入校との違いについてはすごく感じていました。

 

  • デメリット① 警察学校の業務が大変

先ほども紹介しましたが、警察学校では役員や各委員、教場当番などクラスで一人一人が必ずなにかしらの役割をこなさなければいけません。

そうなると人数が多ければ確実に一人一人の負担は軽くなりますが、人数が少ない場合は色々な役割を掛け持ちすることも珍しくないのです。

つまり、秋入校はこのような業務の負担がどうしても大きくなってしまうので、それだけ時間を割かれることになります。

秋入校のメリットとして時間に余裕が生まれやすいと紹介しましたが、確かに全体を見れば時間的な余裕はあります。

しかし、個々で考えるとやらなければいけない業務が多い分、それだけ時間をとられることが多いので、その点はデメリットと言えます。

 

  • デメリット② 警戒勤務が大変

これは春入校のメリットと真逆の話となります。

警察学校の警戒勤務はすべての初任科生が当番制でつくことになるので、人数が少なければそれだけ勤務の回数が増えるということです。

警戒勤務はただ立っているだけ、ただ敷地内を歩いてパトロールするだけなど単調な作業であり、できればあまりやりたくないもの。

さらに午前や午後の勤務だと授業を欠席することになるので、勤務の回数が多ければ多いほど授業を欠席することにも繋がります。

また、秋入校だと年末年始が長期の連休となりますが、そのような連休中でも勤務に当たれば休みはなくなってしまいます。

人数が少ないことが直接影響するデメリットと言えるでしょう。

 

  • デメリット③ ターゲットになりやすい

これも人数が少ないことが影響していますが、人数が少ない=なにかすれば目立つということなので、教官から見てもターゲットにしやすい面があります。

例えば教練の訓練は期生全体で行う場合が多いので、人数が多い春入校だと少し動きが遅れただけではさほど目立ちません。

しかし、人数が少ない秋入校は一人の動きが遅れるだけでかなり目立ってしまうので、教官から怒られやすい環境になっているといっても過言ではありません。

また、人数が少ないため教官も秋入校の初任科生の顔と名前を覚えやすいので、まさにターゲットにしやすい存在と言えます。

 

 

まとめ

今回は警察学校の春入校と秋入校の違い、メリット&デメリットについて解説しました。

春でも秋でも警察学校でやることは変わりませんし、教官の厳しさも変わりません。

よって、春入校も秋入校も大きな違いはないのですが、一番異なるのは入校する人数です。

入校する人数に違いがあるため、それぞれでメリット・デメリットが生まれることになります。

警察学校に入校する時期を自分で選ぶことはできませんが、どちらかと言えば春入校の方がメリットは大きいかと思います。

私自身が秋入校でしたので、人数の少ない中で生活するのは色々と大変でしたし、春入校がうらやましく見えるときもありました。

いずれにせよ警察学校でやることは変わりませんので、授業や訓練を頑張っていけば問題ありません。

あくまで1つの参考にして頂ければ幸いです。

 

 

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