
警察学校での厳しい生活を乗り越え、これからは自由な生活ができる…。
これは警察学校卒業後に誰もが考えることですし、自由な生活を目標に頑張って来た人は多いと思います。
さらに恋人がいる人ならば「警察学校入校中は迷惑をかけたからすぐに同棲を始めよう」ということも考えがちです。
しかし、最初に結論から申し上げると、警察官は恋人と同棲することは少し難しいかもしれません。
その理由は様々ですが、特に新人警察官のうちはまだまだ色々な制約がつきものです。
警察学校を卒業したとはいえ、立場は新人警察官ですので、残念ながらいきなり羽を伸ばして自由に過ごすことはできないのです。
- 警察学校卒業後は独身ならほぼ必ず独身寮に入らなければいけない
- 独身寮に入れば独身寮のルールに従わなければいけない
- 休日でも呼び出しがあれば応じなければいけない
- 休日だからといって自由に外泊できる身分ではない
新人警察官は色々と目を付けられる立場ですので、仕事以外で目立つことをするのはおすすめできません。
まずは新しい環境に慣れることを優先すべきですし、仕事に集中することも大事になります。
いきなり派手に遊びすぎると仕事もまともにできないのにプライベートでは遊び回っているという悪い噂が広まり、上司からお叱りを受ける可能性もあります。
そして、警察官の恋愛事情は一般的な社会人と比べるとやや異なるという特徴があります。
警察官の大前提として、「恋人との同棲はNG」とされていることがほとんどです。
なぜ警察官は恋人と同棲ができないのか?どうすれば恋人と同棲ができるのか?
そんな疑問を解消するため、この記事では警察官の恋愛事情について紹介し、恋人と同棲することが難しい理由について詳しく解説していきます。
目次
基本的には独身寮に入ることになる

警察学校を卒業した後は独身ならば赴任する警察署の独身寮に入らなければいけません。
全国どこの警察署でもよほどのことがなければ新人警察官の入居する独身寮が用意されており、独身寮への入寮はほぼ強制となっています。
特別な事情がなければ断ることはできず、大抵の新人警察官は警察学校を卒業すると独身寮に住居を移すことになります。
そのため、警察学校を卒業したからといって好きなところにアパートを借りて住めるわけではないのですし、すぐに恋人と同棲することもできません。
- 既婚者の場合
結婚していれば独身寮には入らず、好きなところに住むことができる。
- 家族の介護が必要な場合など
自分が実家の家族の介護をしなければいけないなど特別な理由がある場合は自宅から通うことができる。
- 独身寮がない場合
ごく稀に独身寮のない警察署があり、その場合は自宅から通うことができる。
独身寮に入れば当然そこに住民票も移すことになるので、別でアパートを借りて恋人と同棲することはできません。
また、新人警察官は休日でも独身寮で待機を命じられることがありますし、簡単に外泊をすることもできないので、警察学校を卒業した後もしばらくは自由のない生活が続くことは覚えておきましょう。
もちろん結婚したら独身寮は出られますし、逆にある程度の年数が経てば退寮を求められることもあります。(後輩が入ってくると部屋がなくなるため)
また、女性警察官の場合はまだまだ女性専用の寮がすべての人に用意されているわけではありませんし、そもそも女性警察官の寮は用意していないという都道府県もあるので、女性の場合は自宅から通うことが多いです。
ちなみに私が所属していた県警では女性警察官の寮はありましたが、寮というよりは普通のアパートに入居するという形でしたので、男性警察官とは少し事情が違いました。
独身寮については下記の記事で詳しく解説しています。
なぜ恋人と同棲できない?

警察学校を卒業してからある程度の年数が経ち、仕事にも慣れて独身寮を運よく出られたとしても、残念ながらすぐに恋人と同棲ができるわけではありません。
その理由はそもそも警察官は恋人と同棲すること自体がNGとされているからです。
意外と知られていないかもしれませんが、根本的にこのような理由があるのです。
それではなぜ警察官は恋人と同棲することがNGとされているのでしょうか?
理由はいくつかありますので、1つずつ解説していきます。
- 一般人へ警察情報が流出する恐れ
恋人との同棲が認められない最大の理由はこれです。
警察官と一般人が一緒に生活した場合、警察官がどれだけ気を付けていても警察情報が一般人(恋人)の目に触れることになります。
もちろん大事な書類を家に持ち帰ることはありませんが、それでも勤務表や教養資料くらいなら家に持ち帰ることがあります。
また、警察官でしか買えない法律の解説書や参考書を買うことがあり、これらを恋人に見られることもあまり良いとは言えません。
なので、同棲していると本来なら警察官以外は絶対に目にすることのない内部資料が一般人に見られてしまう可能性があり、同棲は情報流出の恐れがあるとされているのです。
- 警察社会の風潮
次に警察社会の考え方として、”付き合っている間は同棲しない””恋人と一緒に住むのは結婚してから”という根強い風潮があるためです。
少し昔っぽい考え方ではあるのですが、警察社会では順序を守るというのが基本的な考えとしてあるので、ベテランの警察官からは同棲が良く思われていません。
そのため、昔から警察官は交際→結婚→同居という流れが当たり前だと考えられており、交際者に関する情報を上司に報告しなければいけないほどです。
順序を守らなければいけない最大の理由は警察官はできちゃった婚があまり良く思われないというところにあります。
めでたいことなのですが、これもやはり順序が違うということで、上司によっては注意を受けることもあります。
ただ昔に比べれば警察官のできちゃった婚は少しづつ増えている傾向にあるので、今後はこのような考え方が改められる可能性はあるでしょう。
- 同居できるのは真剣な相手のみ
警察官が結婚するときは結婚相手の個人情報を上司に報告し、上司から承諾をもらった上で正式に結婚するという流れになります。
つまり、結婚しないと同居することはできないので、上司から承諾をもらった相手でないと同居できないということです。
これは警察官ならばプライベートでも模範的な行動をとらなければいけないという考えに基づいており、”適当な交際はダメ”という意味でもあります。
言い方は悪いですが、上司から見ればどこの誰だかわからない人と部下が同棲するのは心配になりますし、次から次へと相手を変えるような部下も注意深く見ます。
警察官との結婚については下記の記事で書いていますので、詳しく知りたい方は下記リンクからご覧ください。
このように警察官は堅い世界なので、令和になった今でも昔からの考えは変わっていません。
今の時代の若い方には少し受け入れにくいかもしれませんが、警察官としてはこのような考えが当たり前です。
中にはハニートラップのように警察の情報を抜き出そうと偽装の交際を仕掛けてくる人もいますので、その辺りは十分注意が必要です。
決められたことは守らなければいけないので、警察官になるならば同棲については我慢が必要だと思います。
同棲が認められた例

私が今まで見た中で、上司から同棲を認められた例があります。
既にお気付きの方もいるかもしれませんが、早い話が警察官同士のカップルなら同棲しても問題ないということです。
警察官同士なら情報流出も何もないので、上司も認めざるを得ません。
実際に私の周りでも警察官同士のカップルは簡単に同棲が認められていました。
そもそも警察官採用試験に合格するということは警察官として資質に問題がないと認められている証拠なので、警察官同士が同棲することはなにも問題ありません。
また、もう1つの実例としては結婚が決まっている場合です。
結婚が決まっている=上司の承諾を得たということですし、結婚をすれば早かれ遅かれ同居することになるので、同棲は認められます。
目安としては結婚する半年くらい前からになりますが、実際に結婚前で同棲が許可されていた同僚がいました。
なので、結婚前ならば堂々と同棲ができるというわけです。
逆に言えば、この2つの事例以外では同棲が認められた例は聞いたことがありません。
やはり未だに警察官の同棲は良く思われていないので、難色を示す上司が多いのは事実です。
付き合って日が浅い場合や結婚するかどうかわからない場合は同棲できない可能性が高いことを覚えておきましょう。
これは警察官と付き合うならば理解しなければいけないことですし、こういった制約があるということも知っておかなければいけません。
警察官の常識として、恋人と交際が始まった場合は上司に報告するということがある。警察官はプライベートなことまで上司に報告が求められるので、恋人に関する情報も報告しなければいけない。
よって、警察官の恋人から生年月日や職業などを聞かれた場合は素直に答えるようにしよう。普通に考えれば「上司に報告する恋人=真剣な恋人」という証拠になるので、1つ目安になるかも?
また、警察官同士で交際する場合も上司への報告は確実に行いましょう。
警察学校で知り合って交際を始める警察官カップルは意外と多いですが、交際自体は問題ないので、報告だけはしっかりしておく必要があります。
逆に内緒で付き合っていたとしてもすぐに噂は広まるので、面倒な処分を受ける前に素直に報告しておいた方が無難です。
実際に警察官同士で交際→結婚する人は多いですので。
こっそり同棲しても大丈夫?

ここまで警察官との同棲について書いてきましたが、中には”それでも同棲したい!”と思っている方は少なくないでしょう。
また、「内緒で同棲してもバレないんじゃないか?」と考える人も多いと思います。
確かに警察官が恋人とこっそり内緒で同棲していたとしても上司にバレる可能性はかなり低いです。
なぜなら、さすがに上司が家まで確認にくることはないからです。
なので、誰にも言わず同棲していれば発覚する可能性は低いと言えます。
しかし、どんなところから発覚するかわかりませんし、つい口を滑らせてうっかり同棲していることを周りに明かしてしまう可能性も否定できません。
もし内緒で同棲していることが上司にバレた場合は面倒なことになりますし、最悪の場合は処分を受ける可能性も十分に考えられます。
そのようなリスクを抱えながら同棲するのは神経を使いますし、同棲を楽しむことができないと思いますので、上司に内緒で同棲することはあまりおすすめしません。
警察社会の特徴の1つとして、噂の広まるスピードの速さが挙げられる。ときには部署の壁を越えて警察署全体に噂が広まっていることもあり、ちょっとした噂でも気が抜けない。
昔ながらの警察官は同棲を良く思わない人もおり、目を付けられると面倒なこともある。
そこまでのリスクをとって同棲を選択するかどうかは個人の判断によりますが、無断での同棲が発覚したときには警察官としての評価が下がってしまう可能性があるため、非常にリスクが高いことだと思います。
警察官の恋人ならば逆に相手を苦しめないためにも同棲できない事情を理解してあげなければいけません。
一度失った信頼を取り戻すのには時間がかかるため、無理をするのは禁物と言えるでしょう。
まとめ
今回は警察官の同棲について詳しく解説しました。
警察官という職業は色々と制約があり、簡単に同棲をすることもできません。
むしろ基本的には結婚前の同棲はNGとされているので、そういった制約があることは覚えておかなければいけないですし、それを理解した上で交際する必要があります。
交際期間が長ければ長いほど必然的に同棲をしたいという考えに至りますが、警察官と交際するならばその気持ちはグッと我慢が必要です。
内緒でこっそり同棲することはできなくもないですが、発覚したときのリスクが大きいためあまりおすすめはできません。
嘘をついていたことが発覚すれば職場での信頼を失うので、そこまでのリスクを抱えながら同棲するメリットはないと言えるでしょう。
このように警察官は特殊な職業であるため、警察官と交際するならばパートナーの理解が必須です。
一般の社会人とは少し異なる部分があるので、その辺りはパートナーがしっかり理解してあげると警察官自身も嬉しいものですし、良好な関係が続くと思います。