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警察官採用試験は地元or県外どちらで受けるべき?それぞれのメリットとデメリットを紹介

警察官採用試験を地元か県外のどちらで受験するか迷ってるんだけど…。

実際どう違うの?

迷う気持ちはすごくわかります。

それぞれのメリットとデメリットについて解説しますね

警察官採用試験を受験する方にとってまず考えるべきことは「どこで警察官になるのか」ということです。

警察官採用試験は全国どこでも受験することができるため、まったく縁もゆかりもない地域で警察官になることも可能です。

ただし、各都道府県でほとんど同一の日程で試験が行われるため、複数地域で警察官採用試験を受験することは難しいです。

なので実質的に選択肢としては「地元で試験を受ける」「県外で試験を受ける」かのどちらかになります。

また、警視庁や大阪府警など大きな都道府県警察では「共同試験」という制度があります。

これは地元+別の都道府県警察という併願が可能になる受験区分のことで、共同試験を利用すれば「警視庁+地元」などといった形で併願することが可能です。

 

最初から地元で警察官を目指している方にとってはあまり気にならないことかもしれませんが、地元を出て別の地域で警察官になることを考えている方も多いと思います。

特に警視庁の警察官は全国各地から人材が集まっていますし、地方から都市部へ出て働くことも選択肢の1つです。

この記事では元警察官の視点で地元or県外で警察官になるメリット・デメリットをそれぞれ解説していきます。

 

生活安全課の仕事について

 

地元で警察官になるメリット

方向感覚があること

警察官の仕事はとにかく方向感覚が大事になります。

それは地域課(交番やパトカー)で働くならばなおさらで、迅速に通報に対応するためには地理がわかっていないことにはうまくいきません。

これはなにも地域課に限ったことではなく、警察官の仕事は次から次へと入る通報に対応しなければいけないですし、早期に現場に到着しなければいけません。

それは例えば「現場から西方へ向かえ」と指令を受けた場合、地元であればおおよその方向感覚があるため、「こっちに行けば西だな」というのが大体わかります。

私が考える地元で警察官になる最大のメリットはこの方向感覚だと思います。

 

知らない地域で働くこともあるが…

警察官の仕事は人事異動が半年に1回あるため、ずっと慣れた土地で働けるわけではありません

地元であってもまったく知らない地域で働く機会もありますが、それでも地元なら知っている地域の方が多いと思います

よほど道を知らない人なら別ですが、地元ならば「こっちに行けばこの地域だな」というのがなんとなくでもわかりやすいです

 

もちろん道がわからなくても地図を確認すればわかることなのですが、場合によっては地図を確認している時間がなく自分の方向感覚に頼るときもあります。

また限りなく自宅に近い警察署で働く機会もありますので、その場合は最初から道を覚えるのに苦労しません。

警察官の仕事をしていて、まず苦労するのが「道を覚えること」なので、最初から地理感覚があることはとても武器になります。

 

 

生まれ育った町を守ることができること

警察官の仕事の醍醐味は「悪いやつを捕まえる」ことです。

「悪いやつを捕まえる」ことは警察官にしかできない仕事です。

地元で警察官になった場合、自分の生まれ育った町で悪さをする者を自分の手で捕まえるというやりがいがあります。

これは育ててもらった町への恩返しでもあり、「自分で自分の町を守る」という高いモチベーションにも繋がります。

 

地元で働く機会もある

警察官は仕事柄なるべく自宅近くで働かないよう配慮されますが、それでもときには自分の生まれ育った町で働く機会はあります

地元をパトロールすることはとてもやりがいのあることです

 

地元だけでなく、通っていた高校の地域、通っていた大学の地域、働いていた職場の地域など、思い入れのあるそれぞれの場所で治安維持にあたるのは気持ちも違ってきます。

 

 

大きく環境を変える必要がないこと

警察官採用試験に合格した後は大卒なら6か月間、高卒なら10か月間の警察学校での生活が待っています。

地元の警察学校であれば週末は実家に帰って自由に過ごせますが、県外出身者は実家が遠方だと帰るだけで非常に手間となるため、週末でも警察学校の寮に残ることになります。

よって、地元であれば平日だけ警察学校という生活でこれまでと大きく環境は変わりません。

交際者がいても週末ならデートを楽しむことができます。

反対に県外出身者だと長期連休のときにしか実家に帰る機会がありません。

 

実家に帰れるモチベーション

警察学校では閉鎖的で自由のない生活を送るため、”週末に実家に帰れる”というのが1つモチベーションとなる

逆に県外出身者は長期連休がないと実家に帰ることができないため、週末の解放感のある生活ができない

 

私の同期でも県外出身者は何人かいました。

ただ地元の人間が9割だったので、県外出身者は同期のみんなが週末実家に帰るのを見送ることしかできませんでした。

警察学校の寮に残るのも楽しいは楽しいのですが、やはり週末に実家に帰って解放感のある生活ができるのとは大きくモチベーションが違います。

警察学校 事前準備#1

 

警察学校では厳しい訓練が待ち受けていますし、警察学校を卒業すれば現場では大変な仕事に従事しなければいけません。

大きく環境が変わるとホームシックになって余計に疲れてしまう可能性もあるので、そういった心配がないのは地元で働くメリットと言えます。

 

 

地元で警察官になるデメリット

仕事中に知り合いに会ってしまうこと

私が考える地元で警察官になる最大のデメリットは「仕事中に知り合いに会ってしまうこと」です。

実際に私も何度も経験したことがあります。

警察官という仕事柄、仕事中はなるべく知り合いに会いたくないものですが、それでも地元で働いていると会ってしまう可能性は十分あります。

 

知り合いに会った実例
  • 取締りをしたら違反者が自分の恩人だった

⇒見逃すことはできないのでしっかり取締りを行ったが、なんとも言い難い空気だった

  • 交通事故の現場に行ったら倒れているのが知り合いだった

⇒自分の知り合いが事故に遭って倒れているのを見るのはショッキングだった

  • 職務質問をした相手が知り合いだった

⇒不審者を相手にするような感じになってしまい申し訳なかった

 

 

一番気まずかったのは取締りのときですね。

本当にお世話になった人だったので「できるなら見逃してあげたい…」という気持ちになってしまいました。

もちろんそんなことをしたら自分のクビが飛んでしまうので、どれだけ親しい相手でも仕事はしっかりやらなければいけません。

警察官という仕事の性質上、できることなら仕事中は知り合いに会いたくないものです。

県外で働いていればなかなか知り合いに会う機会もないと思いますが…。

 

 

家の近所で働く機会があること

家の近所で働くことは「方向感覚に優れている」というメリットがある反面、「近所の人に会ってしまう」というデメリットも存在します。

自分が警察官をやっているということは、近所の人にも明かさないことが多いです。

しかし、例えば家の近所の交番で働くことになってしまったら、なにかの機会で近所の人と顔を合わせることになってしまいます。

 

配属先は考慮されるが…
基本的には家から少し離れたところで働けるよう配属先は考慮されているが、ときには近所の警察署で働く機会もあり得る

近所で働くことはメリットもあるが、デメリットもでてきてしまう

 

近所の人がトラブルを起こしたならば対応しなければいけませんし、取締りもしなければいけません。

場合によってはその相手が家の隣の人だったなんてこともあり得るのです。

特に家の近所に住む犯人を検挙したとき、犯人に顔を覚えられてしまうとプライベートでも会ってしまう可能性があります。

警察官は犯人から逆恨みされることも多々ありますので、家の近所で働くことは少しリスクも伴ってしまうのです。

 

 

県外で警察官になるメリット

1 知り合いに会わない&地理に詳しくなる

地元で警察官をやっていると仕事中に知り合いに会う可能性がありますが、県外であればその確率はぐっと下がります。

よって、警察官としてノビノビ働くことができます。

また、知らない土地で働くことにより仕事中は新しい発見の毎日で、新鮮味にも欠けません。

 

仕事の新鮮味は大事

地元で働いていると見慣れた風景に飽きを感じるときもあります

毎回の仕事で新しい発見があることは仕事を楽しむ要素になります

 

地域課で勤務しているとパトロールをすることも多いので、見慣れた風景だと新鮮味に欠けます。

さらに知っている土地の同じ警察署で3年も働いていればほとんどの道は覚えてしまいますし、慣れがきてしまいます。

縁もゆかりもない土地でパトロールをすることは0から道を覚えることになるので地理にも詳しくなりますし、メリットの1つだと思います。

 

 

地元より大きな県警に入ればより成長できる

地方に住んでいる方であれば「地元の小さな県警よりも都心部の大きな警察に入りたい」と考えることがあると思います。

警察官の仕事は基本的な部分でいえば全国共通ですが、仕事の規模でいえば地域によって大きく異なります。

やはり都心部の大きな警察の方が通報も多いですし、それだけ取り扱う事案も多いので警察官として成長する機会が多いことは間違いありません。

さらに都心部なら社会的に反響の大きい事件もあるので、より高いレベルで仕事ができるでしょう。

 

警察官のレベルは地域によって異なる

警察官の仕事は全国共通ですが、通報の多さは地域によって大きく異なるため、それだけ仕事をする機会も違ってきます

その経験の差はとても大きく、都心部と地方では警察官のレベルが異なりますし、なにより警察の規模が違います

 

それだけ警察官としての能力にも差がありますので、より高いレベルで仕事をしたいなら都心部の大きな警察を選ぶのもアリです。

また抱えている予算の規模も違うので、都心部で警察官になった方が給料は高いというメリットもあります。

 

 

県外で警察官になるデメリット

土地勘がまったくない

警察官は地域課で働いていれば地理案内をする機会も多いですが、県外でまったく知らない地域だとそもそも土地勘がまったくありません。

次第に慣れていくことではありますが、最初はとてつもなく苦労することだと思います。

知っている町もなければ方向感覚もないため、仕事を覚えるよりもまずは地理を覚えることから始めなければいけません。

経験を積んでいけば方向感覚はすぐに掴めると思いますが、1つのデメリットだと思います。

 

 

 

警察学校で外泊できない

県外で遠方の警察学校に入校した場合、週末になっても外泊することができません。

(警察学校での外泊については地域によって異なる)

例えば新幹線や飛行機を使わないと実家に帰れない場合、金曜日の夜に帰れたとしても日曜日の夕方には警察学校に帰ってこなければいけません。

手間を考えると現実的ではないので、週末でも警察学校の寮に残ることになります。

地元出身の同期は週末に実家に帰って大きく羽を伸ばしているところ、自分は警察学校に残らなければいけないのです。

 

警察学校の寮に残ってなにをする?

私が警察学校に入校したとき、県外出身者は約1割程度いました。遠方の者もいたので週末になっても実家に帰ることができず、長い連休以外は警察学校の寮に残っていました

警察学校の寮では土日はほとんど教官もいないためゆっくり過ごすことはできますが、なかなか気分転換にはなりません

警察学校から近隣への外出は可能なので、やることといったら少し外出する程度になってしまいます

 

また交際者が地元に残っているという場合、警察学校にいる間は会うことも難しくなってしまいます。

慣れてしまえば問題ありませんが、ホームシックになっても簡単には帰れないので、その点はデメリットだと思います。

 

 

 

まとめ

警察官採用試験に合格して警察官になった場合、地元でも県外でもそれぞれメリット・デメリットが存在します。

自分が警察官としてどんなことを求めるのかによって選ぶポイントは変わってきますし、とても悩む部分だと思います。

今までと大きく環境を変えることが嫌ならば地元で働くべきですし、逆に新しい環境に飛び込んでいきたいと思うなら県外を受験するべきです。

また地方と都心部の警察では警察官として成長する機会は大きく異なりますし、能力にも差が出てきます。

より高みを目指すのであれば、都心部で働く方がいいと思います。

 

 

警察官採用試験を地元or県外で受ける場合のメリット・デメリットについて紹介しました。

私が生まれ変わってもう1度警察官になるなら、県外を選ぶと思います。

理由としては「知らない土地で働くのは楽しそうだから」です。

私はパトカーに乗っていることが多かったので、3年も同じ警察署で働いていると町の風景に飽きてしまっていました。

でもまったく知らない土地でパトロールをしていたら新しい発見の毎日ですし、地理にも詳しくなるので楽しそうだなぁと思っています。

特に地域課で働いていると「仕事の新鮮味」というのが結構大事になってきます。

ただ、当時私は地元+警視庁のW合格を果たしましたが、「引っ越しとか手間だし面倒」という理由で地元を選びました。

あのとき警視庁を選んでいたらどういう人生になっていたのかっていうのも興味深いです。

 

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