
警察学校はとても特殊な世界であり、今まで過ごしてきた日常生活とは大きく異なる生活となります。
高卒程度なら約10か月、大卒程度なら約6か月を警察学校で過ごすことになり、さらにその生活は全寮制となっています。
つまり、警察学校に入校する同期とは同じ屋根の下で長期間の生活を共にする関係になり、良くも悪くも深い関係になります。
それに加え、厳しい規律の下、集団での生活となるため、嫌というほど同期のリアルな人間性を見ることになります。
当然、他人同士がいきなり共同生活をするので「合う・合わない」という事態は絶対に避けられません。
しかし、「合わない」と思っても同期と離れて単独行動をすることはできません。
どうしても同期との生活に耐えられないのであれば、自ら退職を選ぶしかないのです。
警察学校では自分1人の生活ではないため、自由気ままに生活することはできない。ときには周りの同期と考えが合わない場面も出てくるが、警察学校で生活をしていく上では我慢も必要。
なんでもかんでも自分のやりたいようにはできないし、周りに合わせる協調性が最も大事と言える。
警察学校で自分勝手な行動ばかりをしているといずれ同期から干されることになってしまい、とても苦しい生活となってしまいます。
実際に私の同期でもクラスから干されていた者はいました。
他にも警察学校ではやってはいけないNG行動というものが存在しますので、この辺りはしっかり守っていきたいところです。
そのため、この記事では警察学校でやってはいけないNG行動集について紹介し、警察学校で失敗しないコツについて詳しく解説します。
目次
自分勝手な行動をすること

警察学校で最もやってはいけないことは個人プレーに走ることです。
つまり、自分勝手な行動をしないということが鉄則になります。
警察学校では集団行動となるため、全員が同じ方向を向いて進んでいくことが大事ですし、一人だけ違う方向を向くことは許されません。
警察学校で自分勝手な行動をする=同期から干されるということなので、十分に気を付けましょう。
警察学校で一人きりになれる時間は就寝時間くらいです。
- 自分だけ楽をする
周りの同期が大変な作業をしている中、それを手伝わず自分だけ楽な行動をすること。周りはその状況を見ているため、楽をしているのはすぐに指摘される。
- こっそり自分だけ課題を進める
警察学校では課題や提出物が多いが、それに反して課題に取り組む時間が少ない。多くの人は限られた時間で課題をこなすが、中には授業中や掃除の時間にこっそり課題をやるなど卑怯な手段をとる者もいる。
- 雑用から逃げる
警察学校では授業の準備や片付け、清掃など雑用を行うことが多い。雑用を嫌がり、毎回雑用から逃げることは許されない。
警察学校でなによりも気を付けなければいけないのは”同期から干されないこと”です。
個人プレーを連発しているとクラスから白い目で見られ、次第に相手にされなくなってしまいますし、同期から厳しく叱責されることにもなります。
そのような扱いになってしまうと警察学校での生活は非常に苦しくなってしまう上、自分を味方してくれる同期もいなくなるので、結果的に退職に直結することも珍しくありません。
警察学校の同期とは、本来困ったときに助け合う大切な存在なのですが、ひとたび敵意が生まれてしまうと一気に退職まで追い込まれてしまうこともあります。
それだけ警察学校ではいかに同期とうまくやっていくかが大事だということです。
警察学校は給料が発生する場所であり、全員と仲良くして慣れ合う必要まではない。警察学校の同期は大切な仲間であると共にライバルでもある。
そのため、警察学校で同期とうまくやっていくためには協調性が最も必要となります。
よくあるのが周りの同期が頑張っているのに見て見ぬフリをして一緒に頑張ろうとしないことです。
「疲れてるから休憩したい」「誰かがやればいい」という考えになりがちですが、これは自分勝手な行動となります。
周りの同期はあなたのことをすごく見ていますので、同期から「クラスのために動いてくれるかどうか」という評価はすぐに振り分けられることになります。
体調を崩す&怪我をすること

次に警察学校で避けたいことは授業や訓練を欠席することです。
警察学校ではカリキュラムが決められており、卒業まで慌ただしい日々を送ることになります。
警察学校の1日は忙しいときだと分単位での行動が求められるくらいです。
そのため、欠席した者のために補習のような形で同じ授業が行われることはほぼありません。
警察学校は”欠席して遅れた分は自分で取り戻せ”というのが当たり前の世界です。
よって、体調を崩したり、怪我をしたりして授業や訓練を欠席してしまうと、それだけクラスから遅れをとることになってしまいます。
決められたカリキュラムがある以上、1つでもクラスから遅れをとることは避けたいところです。
そうならないためにも常に体調管理&怪我の予防には心がけるようにしてください。
何度も何度も授業を欠席するようだと、ときには同期から「こいつはサボっているのではないか?」という目線が送られることもあります。
仕方なく授業を欠席する場合でも、警察学校では欠席者なりの行動をとる必要があります。
欠席者なりの行動について詳しくは警察学校で困らないために!警察学校で注意すべきこと5選をご覧ください。
警察学校では毎日授業や訓練に出席して当たり前なので、途中で誰かが離脱することは想定されていない。欠席すればするだけ周りから遅れをとり、立場が追い込まれるだけなので、健康管理には十分注意したい。
また警察学校では給料が発生しているため、欠席=欠勤という扱いになる。よって、正当な理由がなければ基本的には欠席できない。
どうしても虚弱体質で風邪を引きやすい、少し無理をすると怪我をしてしまうという人がいると思います。
体質的なものは今さらどうしようもないかもしれませんが、少しでも改善できるよう普段から気を付けることが大切です。
警察学校入校までに体を鍛えることや自分の限界を知ることで、どういう場合に自分が体調を崩すのかということはある程度わかると思います。
自分の体は自分で管理するしかないので、しっかりと自分の体を知るようにしましょう。
また、警察学校では柔道や剣道、逮捕術の授業があります。
これらは術科(じゅつか)訓練と呼ばれていますが、術科訓練では怪我人が続出します。
特に柔道と逮捕術ではお互い真剣にぶつかり合いますので、どうしても骨折やねんざなどが避けられません。
骨折などの重傷を負ってしまうと車の運転訓練や二輪の運転訓練も見学になってしまいますので、大きな影響がでてしまいます。
術科で怪我を避けることは難しいですが、例えば柔道なら無理な体制で踏ん張るくらいなら投げられてしまった方が怪我のリスクは下がります。
この辺はやっていけば身に付いてきますので、怪我には十分気を付けましょう。
いずれにしても体調を崩してしまった、怪我をしてしまったという場合は仕方ないので、教官に正直に申告するようにしてください。
風邪を引いているのに無理をして周りに移してしまうとクラス全体に多大な迷惑がかかってしまいますし、怪我を隠してさらに悪化すれば元も子もありません。
このような場合は無理をするより休んで回復させた方が早いので、とにかく無理だけはしないでください。
授業や訓練の途中で倒れてしまい、授業が中断することになるのも大変ですし、同期に迷惑がかかってしまいます。
また、怪我をした場合、テーピングを巻くなどの応急の処置も自分でやらなければいけません。
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定期試験で赤点をとること

警察学校では一般的な学校と同じように定期的に試験が行われます。
警察学校では給料が発生していますが、実務的な仕事をしていない分、一人前の警察官を目指して勉強することが仕事になります。
つまり、勉強をして試験でいい点数をとることが当たり前とされているので、試験で赤点をとる=仕事をしていないということになるのです。
試験で赤点をとるともちろん再試験がありますし、居残りで授業を受ける必要も出てきます。
なにより赤点をとると教官から激怒されますので、なんとしてでも赤点は避けたいところです。
また、教官によっては赤点をとる者がいるとクラスの連帯責任としてクラス全体にペナルティを課す場合もあるので、クラスにも迷惑がかかってしまいます。
警察学校の試験と聞くと非常に難しいものを想像しがちですが、警察学校の試験は勉強をすれば確実に点数がとれる試験です。
暗記物がほとんどですので、難易度としてはそこまで高くはありません。
自習時間などの勉強時間はしっかり勉強をするようにしましょう。
警察学校で行われる授業は法律に関するものが中心となる。大学で法学部だった者もいるが、法学部だからといって有利になることはほとんどない。なので、法律を初めて勉強をする場合でも心配は無用。
よって、ほぼ全員が初めて勉強をする科目となるため、スタートラインは同じであると言える。
警察学校で勉強することはなにも試験のためだけではありません。
警察学校で勉強することは現場でも必ず役に立ちますし、逆に言えば勉強しておかないと現場で困ることになります。
これから警察官になる方に認識してもらいたいことは、警察学校を卒業したらすぐに現場で働くことになるということです。
市民はベテランの警察官も警察学校を卒業したばかりの新人警察官も同じ警察官として見ます。
警察学校を卒業した次の日にはいきなり凶悪な犯人と対峙する場面に遭遇するかもしれません。
そんなとき警察官としてどこまでやっていいのか、どういう法律を適用するのかということは警察学校で勉強していないと判断できません。
警察学校での勉強は現場に直結しますので、怠ることなくしっかり勉強しておきましょう。
さらに警察官としては警察学校を卒業してからも日々法律の勉強が必要になりますよ。
私が新人警察官だったとき、実際に使っていた刑法の参考書を紹介しておきます。
イラストがたくさんあって初心者でもわかりやすい内容になっているので、かなりおすすめの一冊です。
>>Amazonで刑法 (伊藤真ファーストトラックシリーズ )を見るこの参考書は初心者向けの内容となっていますので、是非参考にしてください。
知識があるのとないのとでは仕事に与える影響が変わってきます。
私が警察学校を卒業してからも法律の勉強のために読み込んでいたおすすめの1冊です。
隠しごとをすること

警察学校で教官は絶対的な存在であり、当然ながら気軽に話しかけられる存在ではありません。
特に入校当初はひたすら怒られるばかりですので、どちらかと言えばあまり顔を合わせたくない存在でもあります。
そうなると、なにか報告すべきことがあってもなかなか教官には素直に申告することができない状態に陥ります。
特に「○○に失敗した」「○○をなくしてしまった」という場合はすぐに教官に報告しなければいけませんが、怒られることを恐れて報告ができなくなるのです。
悪い報告というのは遅くなれば遅くなるほど状況が悪化しますし、報告しないということは隠しごとをするということになってしまいます。
そうなれば後々、隠しごとが発覚した際に必要以上に怒られることになりますし、周りからの信頼も失ってしまいます。
なので、悪いことほど早く報告するというのは社会人としての鉄則です。
どうせ怒られるなら早い方が断然よいのです。
周りからの信頼を作り上げるのは時間がかかるが、逆に信頼を失うのは一瞬である。「こいつは隠しごとをするやつ」と思われてしまうと、不信感すら持たれてしまう。
どんなに優秀な人にでもミスは付きものなので、なにかあればすぐに報告するようにしよう。
例えば、警察学校でよくあるのが「課題のプリントをなくしてしまった」というようなことです。
この場合、課題のプリントは提出しなければいけないものなので、隠していてもいずれ発覚することです。
時間が経てば経つほど報告しづらくなり、状況も悪化することは容易に想像できます。
先ほども説明した通り、どちらにしろ怒られるのであれば早い方がいいでしょう。
また、一番やってはいけないことは発覚を隠ぺいするために同期のものを盗むという行動です。
これは立派な窃盗罪となりますので、発覚した時点で厳しい処分が下されることになります。
警察官が窃盗罪…なんて信じられない話ですが、実は警察学校ではよく起きることなんです。
警察学校での窃盗罪についてはこちらで詳しく解説しています。
警察学校で隠しごとをする癖が付いてしまうと警察署に赴任してからもその癖は抜けません。
「失敗したときは素直に報告する・謝る」ということを徹底してください。
プライベートでトラブルを起こすこと

警察学校では入校して最初の約1か月は外泊ができませんが、その後は基本的に週末に自宅に帰ることができます。
週末は金曜日の夜に警察学校を出発して自宅に戻り、日曜日の夕方にまた警察学校に戻るという流れになります。
(ただし、試験前や不祥事のペナルティで帰れなくなることは多々あります)
月曜日から金曜日まで締め付けの厳しい警察学校での生活を送っていると、週末に警察学校を出たとき大きな解放感を感じることは間違いありません。
なにせ”外の空気”を吸うだけでも気持ちいいですし、なにより怖い教官から離れられることが嬉しいのです。
実際に金曜日の夜のワクワク感は何事にも代えがたい幸福感がありました。
警察学校では金曜日の夜に自宅に帰ることができるため、全員が金曜日を目標に一週間を頑張る。月曜日は気分が乗らないが、金曜日が近づくにつれて全員のテンションは高めになる。
なので、金曜日に過酷で辛い授業や訓練があっても自宅に帰ることを目標に頑張ることができる。
しかし、そんな浮つく気持ちもしっかりコントロールしないと痛い目を見るので十分注意が必要です。
解放感だけに身を任せていると理性を抑えつけることができず、ときには犯罪を犯してしまうことだってあります。
実際に私の知っているところで警察学校から離れた解放感から起きた不祥事は
- 酒を飲み過ぎて路上に寝込み、警察官に保護される
- 溜まっていた性欲を抑えつけられず、わいせつ事件を起こす
- 夜遊びに走り、トラブルに巻き込まれる
というものがありました。
警察学校入校中の初任科生の身分で不祥事を起こしてしまうと退職に繋がる可能性が高まりますし、これまで頑張ってきた苦労がすべて水の泡になります。
解放感を感じる気持ちは大いにわかりますが、不祥事を起こしていては元も子もありません。
特にお酒のトラブルには気を付けてください。
警察学校では精神的にも肉体的にも疲れる日々になるので、休日はゆっくり身体を休めることをおすすめします。
クラスの同期がプライベートで不祥事を起こした場合、それは連帯責任となり、しばらくの間は全員が外泊できなくなるなどのペナルティが科せられる可能性も十分あります。
そうなれば同期から嫌われ、干されることにもなってしまいます。
警察学校内ではもちろんのことですが、プライベートでも気を引き締めて行動するようにしましょう。
まとめ
今回は警察学校でのNG行動集について紹介しました。
警察学校の集団生活はなかなか自由がありませんし、苦痛を感じることも少なくありません。
それでも自分勝手な行動をすることは許されず、周りに合わせて生活をしていかなければいけません。
周りからずれたことをすればするほど嫌われますし、やがて干されて相手にされなくなることもあります。
そうなると警察学校での生活はとても苦しくなるので、なにより協調性を大事にすべきなのです。
集団生活であるため、とにかく周りとうまくやっていくことが必要です。
これから警察学校に入校する方は今回紹介したNG行動集を是非参考にしてください。