「警察学校に入校するまでにやっておくべきこと」シリーズの第3弾です。
これから警察学校に入校する方はこのシリーズを参考に事前準備をしっかり整えて頂きたいと思います。
私自身も警察学校入校前はなにをやっておけばいいのかわからず、もっと情報収集をしておけばよかったと後悔している部分がありました。
やはり警察学校について「知っていた」と「知らなかった」では入校後に差がつきます。
ここまで警察学校の事前準備として第1弾、第2弾を紹介してきましたが、まだ事前にやっておくべきことはいくつかありますので、引き続き紹介していきます。
大前提として覚えておいて欲しいことは警察学校に入校すると最初の約1か月は外出すらできないということです。
最初の1か月は指導強化期間とも呼ばれ、外出することはもちろん、携帯電話を使うことすらできない生活になってしまいます。
ですので、なにか予定を入れておくということはできませんし、しばらくは警察学校での生活に耐えていく必要があります。
これから警察学校に入校する方には事前準備をしっかりやって頂きたいので、前回同様この記事では警察学校に入校するまでにやっておくべきことについて6つ紹介していきます。
都道府県によって多少の違いはあるかもしれませんので、少しでも参考になれば幸いです。
所有車両について考える
警察学校に入校するまでにやっておくべきことの1つ目は保有車両について考えておくことです。
警察学校に入校すると最初の1か月程度は缶詰状態となり、自宅に帰ることができません。
この最初の1か月が最大の山場と言えるので、ここを乗り越えられるかどうかで警察学校の生活は決まります。
その後は週末になれば自宅に帰ることができますが、交通事故を起こすことがないようにしばらくの間は運転免許を教官に預けるということがあります。
実際に私自身が警察学校に入校してすぐに教官に運転免許を預けていたため、卒業する直前まで車を運転することができませんでした。
当時、私は車と原付を所有していましたが、しばらく乗る機会はないだろうと予測していたので、警察学校入校前に両方とも売却しました。
車は持っているだけで維持費や駐車場代がかかってしまうので、もし同じような状況の方であれば入校前にしっかり判断しておくことをおすすめします。
警察学校入校中は週末になれば自宅に帰れるが、車を運転できる状態であったとしても事故や違反には十分注意が必要。人身事故を起こしてしまうと後々面倒なことになる。
警察学校入校中に交通事故を起こしてしまうと本当に面倒なことになります。
誰も怪我がないような軽い事故ならば問題はありませんが、怖いのは人身事故です。
人身事故は点数+罰金が発生するので、最悪の場合は一発で免許停止の処分になることもあります。
警察学校入校中に免許停止になれば運転訓練等にも参加ができなくなり、大きな痛手となってしまいます。
さらに初任科生の身分で免許停止の処分を受けるようなことになれば、最悪退職の可能性すら出てきます。
せっかくの休日なので、羽を伸ばしてどこかに出かけたくなる気持ちはわかりますが、警察学校入校中は極力運転をしないことをおすすめします。
警察学校入校中は余計なトラブルだけは避けたいので、休日でも大人しくするのが賢明です。
私の場合は教官から毎週のように課題が与えられていたので、休日でものんびりする時間はあまりありませんでした。
休日の過ごし方は教官によって異なる部分があるため、自分が所有している車両がある場合は入校前にどうするのかを考えておくようにしましょう。
車は車検や駐車場の問題がありますし、バイクはしばらく動かさないのであればバッテリーを外しておくなどの対処が必要です。
起きてすぐ動けるようにしておく
警察学校に入校するまでにやっておくべきことの2つ目は起きてすぐ動けるようにしておくことです。
前回の#2でも紹介しましたが、警察学校では起床時間が朝6時か6時半となっており、そこからすぐにグラウンドへ集合して体操やランニングを行います。
ランニングは距離にすると約3~4km程度で、寝起きの状態でいきなり走ることになります。
寝起きが弱い人にはとてもしんどいことだと思いますが、警察学校の朝は寝ぼけている暇はありません。
起床時間になったら着替えたり、布団を畳んだりという作業を迅速に行わなければいけないので、警察学校の起床は本当に慌ただしくなります。
そのため、入校前に寝起きでもしっかり体が動かせるよう準備しておく必要があります。
早起きをして、朝ランニングするという習慣は必ず身に付けておきましょう。
これは警察学校だけでなく、現場の仕事でも大事になることです。
仮眠中に事件が発生して急きょ出動になることは覚悟しておかなければいけないので、そういったスイッチの切り替えは非常に大事なことになります。
警察学校では起床と同時にハードな1日が始まる。起床時間は秒を争うほど慌ただしくなるので、起床と同時にスイッチを入れる必要がある。大前提として時間通りに起きれるようにしておこう。
この辺りの準備をまったくせずに入校してしまうと、体調を崩したりケガをしたりする原因になります。
無理をしてはいけませんが、体力作りと合わせて早朝から活動することに慣れておく必要があります。
ちなみに私が入校していた警察学校では起きてからコンタクトレンズをする時間すらありませんでした。
グラウンドに行く前はトイレ(小さい方)に行くのでギリギリでしたので、とにかく起床時は忙しかったです。
普段コンタクトレンズをしているという方はこういうことも想定してメガネも準備しておきましょう。
漢字の勉強をする
警察学校に入校するまでにやっておくべきことの3つ目は漢字の勉強です。
警察学校に入校するにあたり法律の勉強をしておく必要はありませんが、漢字の勉強はしっかりやっておいた方がいいです。
その理由は警察官は漢字に強くなければいけないからです。
警察学校で勉強する法律用語や警察用語で使われる漢字は普段見慣れないものが多く、漢字の知識がなければ苦労をします。
また、警察官は書類を手書きで書く機会が多々あるため、漢字を知っていないと恥をかくこともあります。
漢字を知らないと上司から怒られる原因にもなりますので、最低でも一般レベルの漢字知識は習得しておきましょう。
漢字を読めるようにしておくことも大事ですし、書けるようにしておくことも大事になります。
警察学校卒業後、新人警察官が多く取り扱う書類が被害届。被害届は被害者の目の前で手書きをすることが多いので、漢字を知らないと恥ずかしい。最低でも一般的な文章が書けるレベルの漢字は知っておきたい。
警察学校でも捜査書類を書く練習をする機会はたくさんありますので、漢字に弱いとそれが如実に表れてしまいます。
これは現場にも直結することなので、漢字が苦手な人は入校までにしっかり勉強しておきましょう。
被害者の目の前で携帯電話を出して漢字変換をするのはなかなか恥ずかしいことです。
また、余裕がある人は字を綺麗に書く練習もしておくとベストです。
被害届以外にも手書きで書く書類は多いので、漢字の知識と並んで字の綺麗さも大事になってきます。
警察官の書類は検察官や裁判官も目を通す書類になるので、字が綺麗なことに越したことはありません。
また、書類は上司も確認することになるので、読みやすい書類を作成する心構えは大事です。
訂正ばかりがある書類はよろしくないので、余裕があれば練習しておくといいでしょう。
防寒具を用意する
警察学校に入校するまでにやっておくべきことの4つ目は防寒具の用意です。
警察学校は山奥にあることが多く、それだけに日中と夜間早朝の気温の変化が激しいので、寒さ対策は必須となっています。
秋に入校する場合は冬を警察学校で過ごすことになるため、防寒具は用意しておかなければいけません。
私が入校していた警察学校も山の中にあり、冬場は身体が凍えるほど寒く、夏場はどうしようもないくらい暑かったです。
夏は薄着ができるわけではないので対策としては限られていますが、冬場は中に着込むという対策をすることができます。
私自身は秋入校だったので、警察学校での生活が始まったのは暑さが一段落した季節でした。
冬に向かって段々と気温が下がる中、12月にもなると早朝6時過ぎにグラウンドに集まるのが寒すぎて本当に辛かったです。
ランニングが始まればすぐに体は温まるのですが、そこに至るまでの体操などは震えながらやっていた記憶があります。
もし、警察学校入校が冬の前後となる場合はしっかり防寒対策を考えておきましょう。
山奥にある警察学校では8月が過ぎれば一気に季節が変わる。気温の変化にしっかり対応していかないと風邪を引くなど体調を崩す原因にもなるので要注意。
防寒対策としてはユニクロのヒートテックが断然オススメです。
現在では超極暖という機能性に優れたタイプもありますので、防寒対策にはうってつけです。
ヒートテックをおすすめする理由は単純に暖かい+インナーで防寒対策ができるからです。
警察学校だけでなく、警察学校を卒業してからも重宝することは間違いないので、複数枚買っておいて損はないでしょう。
実際、現場で働く警察官のヒートテック着用率は非常に高かったです。
警察学校ではダウンなどアウターで防寒ができるわけではないので、どちらかといえばインナーで対策をすることになります。
なお、ヒートテックなどのインナーで防寒対策をする場合、色は白色を選ぶようにしましょう。
警察学校ではインナーシャツは原則白色というルールがある場合がありますので、白色のものを着ている方が無難です。
また、警察学校卒業後はインナーシャツが白色じゃないと注意をしてくる昔ながらの上司もいますので、その点は注意が必要です。
ついでに言っておくと、靴下は黒色で無地のものが正解です。
本を読んで文章に慣れておく
警察学校に入校するまでにやっておくべきことの5つ目は本を読んで文章に慣れておくことです。
漢字の知識と同様で、警察学校に入校するまでに本をたくさん読んで文章に慣れておくことをおすすめします。
その理由は警察官は数多くの書類を作成するため、文章作成能力が必須となるからです。
警察官が作成する書類は裁判官や検察官など「誰が見ても内容が想像できる書類」でなければいけないので、完成度としては高いものが求められます。
文章だけで事件の概要や描写が想像できるレベルが必要なため、決して簡単なものではありません。
警察学校に入校するまでにたくさん本を読み、文章の構成や表現の仕方を学んでおくと非常に役に立ちます。
文章がまったく書けない人はとても苦労する仕事なので、文章が苦手という人はまず新聞から読むようにしてください。
趣味でブログを書くのもいいですし、自分なりの日記帳を書いても十分練習になります。
警察学校を卒業した新人警察官が苦戦するのは書類作成の仕事。文章が書けないのは漢字が書けないのと同じくらい致命的。
もちろん書類作成については警察学校の授業で一通り勉強することになりますので、大きな心配はいりません。
授業をやっていくうちに文章の書き方はわかってきますし、警察官としての書類作成方法も慣れていきます。
ただし、文章に慣れているか慣れていないかで習得度には違いが出てくるものです。
警察学校入校前までにいかに文章に慣れておくかは大事になってくるでしょう。
警察学校では捜査書類を作成する検定がありますので、文章作成能力が警察官にとって重要なスキルであることは間違いありません。
警察官の仕事=書類作成といっても過言ではないので、漢字と並んで必須スキルとなっています。
パソコンのタイピング練習
警察学校入校するまでにやっておくべきことの6つ目はパソコンのタイピング練習です。
警察官は書類を作る機会が多いため、パソコンのタイピングが速いに越したことはありません。
先ほど被害届は現場で手書きをすると紹介しましたが、警察署で逮捕手続きなどをするときはパソコンを使って書類を作成します。
そのため、「パソコンの操作方法がわからない」「タイピングがゆっくりしかできない」という場合は困ることになります。
逮捕手続きは逮捕種別によっては時間制限があるものもあり、素早いタイピングが結果を左右すると言っても過言ではありません。
ブラインドタッチ(キーボードを見ずに文字入力すること)までは求められませんが、それに近いくらいの速度は必要になります。
警察官は想像を超える量の書類作成が必要になるので、ゆっくりのタイピングしかできない場合は処理スピードにも大きく影響します。
緊急逮捕の手続き
緊急逮捕は逮捕してから2~3時間以内に書類を整えて裁判所に令状請求に行かなければならない。緊急逮捕はその場の空気がガラっと変わるため、速やかな書類作成が求められる。
最近の若い方だとスマートフォンがあればなんでもできてしまうため、あまりパソコンを使ったことがないという人も珍しくないかもしれません。
警察官になればパソコンを使う場面が多く出てきますので、パソコン操作+タイピングはある程度できるようにしておく必要があります。
両手でスラスラ入力できるレベルは欲しいところなので、地道にコツコツ練習しておきましょう。
タイピングの練習はインターネット上で行うことができます。
また、警察署にあるパソコンではWordや一太郎を使って書類作成をするので、これらの操作にも慣れておくといいですよ。
まとめ
警察学校に入校するまでにやっておくべきこと第3弾を紹介しました。
今回の記事をまとめると
- 所有車両について考えておく
- 起きてすぐ動けるようにしておく
- 漢字の勉強をする
- 防寒具を用意する
- 文章に慣れておく
- パソコンのタイピング練習
ということになります。
これまで3回に渡って警察学校の入校準備について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
これまで紹介したことは決して警察学校だけでなく、警察学校卒業後にも大事になることを紹介してきました。
それは「警察学校の卒業」だけを目標にしていると、現場に出てから戸惑うことになってしまうからです。
警察学校はあくまで単なる通過点であり、警察学校を卒業してからが本当の勝負になります。
ですので、記事のタイトルは「警察学校に入校するまでに」となっていますが、すべて現場の勤務に通じるものだと覚えておいてください。
これから警察学校に入校される方に少しでも参考になれば幸いでございます。
警察学校に入校するまでにやっておくべきこと#1・2を見て、だいぶ不安が解消出来ました。他にもあれば教えてください。