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【実録警察学校#1】集団でバスに乗っていざ警察学校へ…

実録警察学校 集団でバスに乗って…

実体験をもとに警察学校での体験記をつづっていく【実録警察学校】をスタートさせます。

私が経験した警察学校での生活を物語風に紹介し、当時の警察学校の様子をリアルにお伝えしていきます。(内容はすべて実話ですが、登場人物は仮名です)

警察学校は本当に色々と衝撃を受けた6か月だったので、入校したときの緊張感苦労同期との思い出教官との関係など今でも鮮明に覚えていることがたくさんあります。

私が警察学校にいたのはもう随分と前ですので、当時と比べると多少の違いはあるかもしれませんが、警察学校の生活をリアルに感じ取ってもらえればと思います。

これから警察学校に入校する方や警察官に興味のある方の参考になれば幸いです。

合格者説明会で洗礼を受ける

警察学校 合格者説明会で洗礼を受ける

私が警察官の採用試験に合格したのは26歳のときである。

平凡な会社員生活に飽きを感じ始め、「なにか面白い仕事はないか」と考えていたとき、ふと警察官に憧れを持ったことから警察官を目指すことにした。

警察官を目指そうと決心してから警察官と接する機会があり、そこでさらに「警察官になりたい」と決意が固くなった経緯もある。

そして、約3年勤めた会社を退職し、無職の状態で予備校に通うこととした。

なぜわざわざ無職を選んだかというと警察官採用試験に一発で合格したかったからであり、仕事をしながら勉強をするという選択肢は当時の自分にはなかった。

このときは警察官になるために会社を辞めたので、次の仕事は絶対に警察官という強い意志もあったから余計に勉強に専念したい気持ちがあった。

一発合格を目指してひたすら勉強に励む日々が続いたが、途中で心が折れそうになったことは何度あった。

一発で合格できなかったらどうしよう…

同級生はどんどん結婚していくのに自分は無職か…

こんな不安な気持ちに襲われる日も珍しくなく、決して最初から最後までモチベーションが高かったわけではない。

さらに無職独身という負い目を感じていたこともあって、友達と顔を会わす機会は減ったし、友達が集まるような場所にも行けなかった。

今思えば本当に大変な状況だったが、この逆境が自分を奮い立たせたのかもしれない。

「絶対に警察官になる」という初心だけは忘れず、苦戦しながらも勉強は最後までやり切った。

様々な苦難を乗り越えて警察官採用試験に合格したのは8月上旬だった。

合格発表の日が近付くにつれて生きた心地がしなかったが、当日午前中にインターネットで確認した合格者番号の画面は鮮明に覚えている。

一人で飛び上がって喜び、お世話になった人たちに次々と合格の連絡を入れた。

当時付き合っていた彼女にもすぐに報告し、合格の喜びを分かち合ったのは記憶に新しい。

その後、県警から合格通知や今後に関する案内の電話をもらい、転職組だった私が警察学校に入校するのは10月と指示を受けた。(新卒だと春採用になることが多い)

合格の余韻にどっぷりと浸かっていたところだったが、後の日程を考えてみると採用試験合格から警察学校入校まではわずか1か月半ほどしかなかった。

そのため、合格が決まってからはかなり慌ただしい日々を過ごすこととなった。

その理由はこの1か月半という短い間に

  • 自動車学校に通って二輪の免許を取得しなければならない
  • 一人暮らしをしていたので引っ越し&退去の手続きが必要
  • 警察学校に入校するための生活用品の準備が必要
  • 自由な時間を楽しむために旅行にも行きたかった

などの理由があった。

警察官採用試験に合格したことは本当に嬉しかったが、警察学校入校までにあまりにも時間がなかったので、もう少しゆっくりしたかったというのが本音ではある。

それでも色々と急ピッチで進めた結果、なんとか9月末までにすべての準備を整えることはできた。

この間に合格者説明会(警察学校入校説明会)が警察学校で開催され出席したのだが、まずはここで厳しい洗礼を受けた。

この時点ではまだ正式に警察官の身分ではないし、警察学校に入校しているわけでもない。

ただ警察学校に関する説明を受けるだけの日だったはずだが、いきなり教官が私たちに怒鳴り始めたのだ。

「え?マジ?なんだこれ…」

私は率直にこう思った。

警察学校が厳しいところなのは重々承知していたが、まさか説明会という場で洗礼を受けるとは思っていなかった。

この説明会の参加者は約90人。

この約90人が同じ日に警察学校に入校する同期でもあった。

この説明会では警察学校でのクラス発表もされ、担任になる予定の教官の紹介もされた。

また警察学校で必要になる生活用品などについても説明を受け、さらにこの場で制服の採寸も行われた。

警察官の制服やカッターシャツはすべて支給品であり、お金はかからない。

定期的に指定したサイズのものが支給され、警察署に赴任してからも年に2~3回ほど支給されるものである。

合格者説明会で制服の採寸があることは事前に知っていたため、私は「警察官の制服を初めて着る機会だから記念撮影でもしようかな」なんてことを考えていた。

しかし、そんな甘い考えは一瞬にして吹き飛ぶ。

私が制服採寸のため列に並んでいたところ、いきなり怒号が響いたのだ。

「お前は名前くらいはっきり言えんのか!!」

私の前で制服の採寸をしていた者に怒号を響かせていたのは教官たちだった。

そう、制服の採寸をするのは教官であり、私たちは”採寸をお願いする立場”であったのだ。

いきなり厳しい上下関係を目の当たりにし、その異様な雰囲気を一瞬で悟った私は反射的に「怒られたくない…」と思い、自分の番がきたら大きな声であいさつをした。

そのおかげか、私は怒られずに済み、なんとかその場をしのいだ。

「制服で記念撮影」なんて今思えばとんでもない考えだった。

重たい雰囲気のまま合格者説明会は終了し、警察学校で同期になる人たちとまともに会話をすることもできなかった。

「警察学校ってホントにやばいところだな…」

私は帰路に就きながら心の中で何度もこう思った。

ついにやってきた入校の日、集団でバスに乗り…

警察学校 バスでいざ警察学校へ

合格者説明会で警察学校の洗礼を受けた私だが、警察官への憧れは揺るがなかった。

むしろ「あんな特殊な世界で生活したらいい経験になりそうだ」と前向きに考えた。

とは言ってもなんだかんだで不安な気持ちはあり、ドキドキしながら入校の日を待っていたのは間違いない。

ただ、自由な時間がわずか1か月半しかなかったのは余計なことを考えずに済むし、逆に幸いだったのかもしれない。

これから大変な生活になるだろうが一人前の警察官になるために覚悟は決めた。

そして、ついに迎えた警察学校入校の日がやってきた。

数日前には改めて気合を入れ、中学生以来の限りなく坊主に近いほど髪を短くした。

入校前日には彼女との電話も長時間楽しんだ。

警察学校に入校すれば、しばらく彼女に会えないどころか連絡すらとれない。

もうあとは警察学校に向かうだけである。

自宅から警察学校までは結構な距離があり、早朝に家を出なければ間に合わない。

それを心配した親が「駅まで送ってくよ」と言ってくれたが、私はそれを断り最寄り駅までは歩いて行くことにした。

大きな荷物もあったが、なんとなく一人でいたかったからだ。

そして電車を乗り継ぎ、警察学校の最寄り駅まで到着した。

最寄り駅と言ってもそこから警察学校まではバスで30分ほどかかる。

警察学校は本当に山の中にあるところだった。

最寄り駅に到着すると、警察学校の職員が「警察学校入校の方はここに集まってください」というプラカードを持って立っていた。

その周りには自分と同じように坊主に近い髪型で大きな荷物を抱えた者たちが集まっていた。

すぐに同期たちだとわかった。

警察学校入校日は個人的に直接行くわけではなく、入校者が最寄り駅に集まってバスに乗っていく形式だった。

つまり、バスに乗ったらもう引き返すことはできない。

警察学校に行くしかないし、泣いても笑っても約1か月は外に出ることもできなくなる。

色々な思いが頭をよぎったが、私はしっかり覚悟を決めてバスに乗り込んだ。

バスは一般的な民間運営の路線バスだったが、車内には警察学校入校者しか乗っていなかった。

特別に手配されたものだったのだろう。

車内の雰囲気はと言うと、みんな不安を解消するためなのか、隣同士で会話をしている者が多かった。

中には笑っている者もいた。

とてもこれから警察学校という地獄に向かうバスとは思えないほどだった。

私も隣に座った同期と色々話をした。

「こないだの説明会やばかったよね~」なんてことから「警察学校ではよろしくね」という会話まで、ごくごく普通の会話を楽しんだ。

このとき私は「みんなと仲良くすれば意外といけそうだな」と思った。

たかだか同期と会話をしただけだが、なぜか少し安心したからだ。

しかし、悲しきかなこの思いもバスを降りた瞬間に吹き飛ばされるのである。

バスを降りた瞬間、いきなりの洗礼

警察学校 いきなりの洗礼

同期と会話を楽しんでいると約30分はあっという間だった。

緊張感がほぐれてきたところで、遂に警察学校に到着したのである。

それぞれが大きな荷物を抱えているため、バスを降りるのにも時間がかかる。

別にわざとゆっくりやっているわけではない。

ところが、バスを降りた瞬間から教官たちの怒号が吹き荒れたのである。

「てめぇらなにチンタラしとんだ!!早く降りろ!!」

まだバスの車内で降りる順番を待っていた私は「誰かいきなり怒られてる…」と恐怖を感じた。

そのため、私や同じように降りる順番を待っていた同期は急いでバスを降りた。

バスを降りると、複数の教官たちが私たちのことを睨むようにして仁王立ちしていた。

そして教官の案内で、入校者は講堂に集められた。

講堂とは警察学校の中にあり、入校式や卒業式が行われるホールのようなところである。

講堂に入った私は異様な雰囲気をすぐに感じ取った。

教官たちが我々初任科生を囲うように待ち受けており、全員顔つきが怖い。

とにかくこのときの異様な雰囲気は今でも忘れられない。

まず、ここでは入校の手続きが行われた。

予定通りの合格者がちゃんと来ているかどうかの確認だ。

私は合格者説明会でクラスは4組と言われていたが、当日になって3組になっていた。

よくよく見ると、合格者説明会の時点ではクラスが4組まであったのが3組までとなっていた。

おそらく合格者説明会の後、約30名ほどが辞退したのだろう。

クラス1つがまるまるなくなっていた。

そしてそれぞれクラス別に分かれ、担任教官の前で申告をする。

申告とは教官の前に立ち、「私は○○と申します。よろしくお願いします」と挨拶をするようなものである。

ちなみにこの申告というのは、警察署でもことあるごとに行われている。

たとえば警察学校を卒業して警察署に赴任したとき、署長に対して申告が行われる。

いわゆる警察の礼式の1つである。

ただ挨拶をするだけなのだが、それが警察学校では一筋縄ではいかない。

教官たちは「声が小さい!!やり直せ!!」「なんだお前やる気あんのか!?もう帰っていいぞ!!」なんていう追い込み方をしてくる。

講堂ではあちこちでこんな怒号が響き渡っていたのだ。

民間企業からやってきた身としてはもう衝撃という言葉しかない。

「なにこれ…やばい…」

こう思った私は他の者に負けないよう大きな声で元気よく申告をした。

その成果もあってか、なんとか怒られずに教官への申告を終えて着席した。

着席しても背筋を伸ばしてただ真っすぐを見つめるしかなかった。

不要な動きをすればすぐに教官から怒られるからだ。

その後、他の者も一通り申告が終わって着席するころだった。

ここでまさかの出来事が起きる。

これまたとんでもない衝撃だった。

申告が終わり、まさかの出来事が…

警察学校 入校式でまさかの出来事が

私は教官への申告を無事に終え、背筋を伸ばしたまま着席していた。

ただ真っすぐしか見れない状況だったが、それでも横目でこっそり周りの状況を見ていた。

申告をすれば教官が怒り、それに対して申告者が謝るという光景が繰り返されていた。

すると、ここで衝撃の発言を耳にする。

「すいません、もう辞めます…」

ある1人の男が教官にこう告げたのである。

警察学校の洗礼に驚いてしまったのだろうか。

確かにいきなりこんな洗礼を浴びれば内心は辞めたいと思うものだが、それを口にする度胸が逆にすごい。

驚くことにその男は本当にそのまま荷物を持って帰ってしまった。

私は「おいおい…。こんなことあるのかよ…」といきなり衝撃を受けた。

いかんせん警察学校の敷地に入ってまだ1時間が経ったか経ってないかという程度。

このときは衝撃という言葉以外が見つからなかった。

しかし、それを聞いていた教官はまったく動じていなかった。

「帰りたければ帰れ」と言わんばかりだった。

後述するが、警察学校は入校した全員が卒業するわけではない。

当然脱落者も出る。

脱落=退職である。

しかし、入校初日のわずか1時間程度で退職する者がいたのは後から考えてもすごいことだった。

いきなりの脱落者を目の当たりにした私は一層の不安を抱えたまま入校式を迎えることとなった。

-続く-

>>【実録警察学校】第2話「食事ものどを通らないほどの緊張感が続き…」

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