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【警察官の仕事】警備課の仕事・勤務体系・休日などについて紹介

警察官の仕事 警備課について

警備課というのはどんな仕事をするところなんですか?

警察官の仕事には様々な部署が存在し、それぞれで担当する業務が決まっています。

警察官を目指している方の中には「○○課で働きたい」と既にイメージを持っている方もいるでしょうし、逆に「警察官の仕事がよくわからない」と思っている方もいるでしょう。

警察官を目指している段階では警察官の仕事についてわかっていなくても大きな問題はありません。

ただし、警察官採用試験の面接では

  • どこの部署で働きたいのか
  • 警察官になったらどんな仕事をやりたいのか
  • 希望の部署に行けなかったらどうするのか

など仕事に直結する質問が必ずありますので、警察官採用試験を受験する段階では警察官の仕事についてはある程度知っておく必要があります。

そこで今回は警備課の仕事について詳しく紹介していきます。

警備課とは?

警備課は主に治安維持や災害派遣を担当する部署で、一般的にイメージできるのが機動隊である。また、テロ対策や右翼・左翼への対応、要人警護なども務める。表立って活動しない部署があるのが警備課の特徴でもある。

警備課の仕事は隠密に活動するものが多く、仕事内容を明かすと守秘義務に反するものもあるため、正直に言って警備課のすべてを紹介することができません。

警備課は警察官の仕事の中で最も秘密裏に動いている部署と言っても過言ではないため、その仕事内容を大々的に明かすことができないのです。

よって、警備課の仕事は紹介できる範囲で紹介していきますので、物足りない内容に思えるかもしれませんが、そういった事情があることをご理解ください。

そういった事情も踏まえ、この記事では警備課の仕事内容・勤務体系・休日などについて解説していきます。

警備課の仕事内容・勤務体系

警備課の仕事内容・勤務体系

警備課は全国どこの警察署にも置かれている部署です。

警備課の仕事で一般的に知られているのは機動隊だと思いますが、機動隊の他にも警備課は様々な仕事があります。

警備課の主な仕事内容としては

  • 災害対策・災害派遣
  • テロ対策
  • 警衛警備(皇族の警備)
  • 要人警護
  • 右翼・左翼対策
  • 不法滞在外国人対策
  • 機動隊

などとなっており、警察官の仕事の中でも国の治安維持に直結するものが多いのが特徴です。

男性警察官ばかりのイメージかもしれませんが、警備課は女性警察官もたくさん勤務しています。

例えば、女性の要人であれば女性SPが同行することは多いですし、災害時も女性被災者をサポートするために女性警察官が派遣されることがあります。

また、警備課は特殊な仕事が多いため、それに向けた訓練もよく行われており、災害関係や要人警護については体力が求められる仕事となっています。

ご存知の通り、機動隊は警察官の仕事の中で最も上下関係が厳しく、ハードな訓練が行われる部署なので、機動隊に異動となった場合は今一度、気合を入れ直さなければいけません。

謎が多い警備課

警備課の仕事は同じ警察官でも詳しく知ることができないものが多いので、その実態は謎である。さらに警備課の警察官は仕事内容についてほとんど公にせず、同じ警察官に対しても情報を共有しない。よって、警備課で働くためには”口が堅い”ということが第一条件となる。

警備課の勤務体系は基本的に土日祝休みの日勤勤務となっています。

通常の勤務であれば月~金に勤務し、土日や大型連休は休日となります。(月に2~3回は警察署に泊まる当直勤務がある)

ただし、要人警護ならその行事に合わせた勤務になりますし、右翼・左翼対策なら行われるデモに合わせた勤務になります。

警備課は基本的には日勤勤務なのですが、勤務する係によって仕事内容が大きく異なりますし、その仕事に合わせて休日も変わってきます。

また、要人警護や警衛警備は失敗すれば警察の信頼を大きく落とすことになるので、事前に入念な打ち合わせや訓練が行われます。

そのため、イベントや行事の前は休みなしの勤務が続くことになりますし、国際的な行事やサミットなどであれば数か月ほぼ休みなしということも珍しくありません。

要人警護などの仕事は事前の計画作成が大変であり、その計画に沿って段取りを組むのも大きな労力を費やすことになります。

警備課に入るためには?

警備課に入るためには?

警備課に入るためには他の課と同じように警備課へのアピールが必要となります。

警察学校を卒業してから最初の2年間は地域課での勤務となるので、この2年間でアピールをしておくことが大事になると言えます。

では、実際のところどんなことをすれば警備課へのアピールになるのか?という話ですが、残念ながら詳しいことがお教えできません。

警備課にアピールするための仕事はいくつかあるのですが、それを伝えると少し守秘義務に反することになってしまうため、お伝えすることが難しいのです…。(実際に警察官になったら先輩や上司から聞いてください)

そのため、私からは警備課に入るために人脈を作ることを紹介しておきます。

警備課の人選をするのは警備課長になりますので、まずは警備課長に必ず挨拶をしておきましょう。

新人警察官のうちにアピールしておくと「最近きた新人は警備課に入りたいらしい」という話が広まるので、警備課の人から顔と名前を覚えてもらえるチャンスにも繋がります。

警備課はかなり特殊な部署になりますので、実績よりも人脈がとても大事になります。

警備課の部屋は入りづらい

警察署には必ず警備課が存在するが、警備課の部屋には基本的に警備課以外の者は入ることができない(他部署の警察官も一般人も同じ)。用事があれば別だが、それ以外ではなかなか部屋にすら入る機会がないので、署内で警備課の人を見かけたら挨拶を欠かさないことが大事。

一方、機動隊に関しては希望していないくても入隊する可能性があることを覚えておいてください。

機動隊は上下関係が厳しく、訓練もハードな内容になるため、「どうしても機動隊に入りたい」という人は少ないのが現状です。

むしろ多くの若手警察官が「機動隊には行きたくない」と思っているので、希望者だけでは機動隊の人数を維持できません。

そのため、例えば刑事課や交通課なら希望しなければ入る機会は中々ありませんが、機動隊は希望していなくても入隊する可能性があるのです。

機動隊に入隊する機会は警察学校を卒業してから2年後にやってきます。

新人警察官はこの時期に最初の異動の機会がくるので、ここで選ばれた場合は機動隊に入隊することになります。

ちなみに事前に「お前は次の異動で機動隊だぞ」という話があるわけではありません。

警察官の異動は異動の発表日にしか内容がわからないので、その日にいきなり機動隊への異動が命じられるということになります。

ただし、機動隊は基本的に年齢が若い警察官が集まる場所(隊長等を除く)なので、27歳以上だと機動隊に異動になる可能性はかなり低いでしょう。

そのため、転職組で警察学校を卒業してから2年後に27歳以上になるという方は機動隊に入りたくても入れない可能性があることを覚えておきましょう。

機動隊は2種類ある
機動隊には2種類の機動隊があり、一般的な機動隊のほかに”管区機動隊”という機動隊も存在する。管区機動隊も警察学校を卒業してから2年後に異動の機会がやってくる。

機動隊や管区機動隊は色々と厳しいところなので、入隊してすぐに退職してしまう人がいますし、入隊して悩む人が多いのも事実です。

私が所属していた県警の機動隊は毎年のように若手警察官が退職していたので、その大変さがよくわかりました。

嫌だと思っていても異動を命じられたら入隊しなければいけないので、警察官になるならこのような事情があることも覚悟は必要です。

機動隊は「警察最後の砦」と呼ばれるほどの精鋭部隊なので、生半可な気持ちでは続かないでしょう。

警備課 災害対策係

警備課 災害対策係

ここからは警備課の各係について紹介していきます。

災害対策係はその名の通り災害対策に関するものを主な業務としており、災害発生時に指揮を執る係となります。

災害対策係の平時の仕事としては

  • 管内の危険箇所の確認(災害発生時に氾濫しそうな川など)
  • 災害時の対応要領の制定
  • 災害対策訓練の実施
  • 災害に対する情報収集

などがあります。

やはり常に災害に対してはアンテナを張っておかなければいけないので、例えば台風が接近しているときは休日でも出勤に備えるなどの準備が必要になります。

また、災害時に慌てないよう日頃から訓練を積んでおく必要があり、さらに災害時には他の警察官を指揮できるようにしておかなければいけません。

ですので、地域課に所属していても警備課と合同で訓練を行うことはありますし、災害に対する教養を受けることもあります。

有事に備えることが基本となりますので、災害対策係は情報収集や災害に対する知識習得が大事になってくるでしょう。

ただし、災害はそこまで頻繁にあるものではないので、災害対策係は他の係と兼務するのが基本です。

機動隊の広域救助隊で勤務した経験がある人が活躍する係でもあります。

警備課 要人警護・警衛警護係

警備課 要人警護

要人警護・警衛警護係は皆さんも知っているSPの仕事となります。

SPはドラマや映画でも題材にされることが多く、一般的にも広く知られていることだと思います。

要人警護は海外の要人(大統領など)が来日した際にSPを務めることになりますし、警衛警護は皇族が行事に参加する際に警備を担当することになります。

東京の警視庁であれば首相官邸や政治家のSPを務める係もあります。

この仕事に共通して言えるのは”絶対に失敗してはいけない仕事である”ということです。

要人にしても皇族にしてもその身に危険が及ぶようなことがあればそれは警察の大失態となりますし、国際的にも日本の警察の信用を落とすことに繋がります。

仕事に失敗は付きものなのですが、要人警護や警衛警護係にあっては100%の成功が求められる部署です。

よって、やりがいの大きな仕事であることは間違いありませんが、それだけ重責を担う仕事でもある点は覚えておきましょう。

入念な準備&訓練

海外の大統領や首相が来日する場合は事前に警備計画を作成し、それに沿って入念な訓練を行う。これは皇族に関しても同様で、失敗が許されない仕事であるため準備や訓練には時間を割くことが多い。よって、そのような行事がある際はなかなか休みをとることもできない。

SPの仕事は基本的に機動隊もしくは管区機動隊を経験した警察官が務めることが多く、地域課からSPの部署にいきなり異動することはほぼできません。

ですので、こういった要人警護のような仕事がしたい場合は機動隊を希望することが一番の近道となります。

特に管区機動隊に所属していると皇族の行事で全国に派遣され警衛警護を行う機会があるので、とてもいい経験を積むことができます。

やはりSPは特殊な仕事になりますので、経験者が好まれる部署ですし、なにも経験がない警察官がいきなり所属することはなかなか現実的ではありません。

私自身もSPの仕事に興味があったのですが、警察学校を卒業して2年後には28歳になっていて機動隊に異動することもできなかったので、その道は諦めました。

SPはとても華やかな仕事に見えますが、事前の計画作成や訓練が大変な場合もあり、大きな行事であればそれだけ休んでいる暇もなくなってしまいます。

華やかに見える裏では大変な苦労があることは知っておいてください。

警備課 外事係

警備課 不法滞在外国人対策係

外事(がいじ)係は主に外国人犯罪を捜査する係となります。

近年では日本で生活する外国人が大幅に増加していますが、それに伴って外国人による犯罪も増加しています。

外国人の犯罪というと

  • 違法薬物の売買
  • 不法滞在
  • 不法就労
  • 組織的窃盗

などがあり、いずれも専門的に捜査をしている外事係がメインで捜査を担当することになります。

外国人は必ず在留期限が記載してある在留カードというものを所持していなければいけません。

在留カードは在留期限を更新すれば再び日本で生活をすることができますが、外国人によっては10年近く在留カードを更新せず不法に日本に滞在している者もいます。

また、この在留カードを偽造して違法に販売しているグループも存在しており、不法滞在外国人は後を絶ちません。

地域課(交番やパトカー)で勤務しているとこのような不法滞在外国人を職務質問で検挙する機会がありますが、その場合は外事係と連携して事件を処理することになります。

さらに外国人が違法薬物の売人として暗躍していることもあるので、外事係は不良外国人に日々目を光らせるのが仕事となります。

外国語の習得も視野に
外事係は外国人の取調べを行うため、外国語の習得も視野に入れなければいけない。実際、外事係で勤務する警察官は中国語や英語など外国語が堪能な警察官も多い。

外事係は外国人の捜査を担当するため、外国語が少しでも理解できると非常に重宝されることになります。

難しい外国語は専門の通訳と一緒に仕事を行うこともありますが、中国語や英語などの一般的な外国語を習得している警察官はその語学力が存分に発揮できます。

外国語については各都道府県警で語学研修として外国語スクールに通える制度があり、そこで外国語を習得する警察官も多数います。

外事係で勤務するのに外国語の習得が必須なわけではありませんが、少しでも話せるならば越したことはありません。

よって、外事係は外国語が得意な人なら大いに活躍できる場があるため、進路の1つとして考えるのもいいでしょう。

機動隊

機動隊

機動隊は一般の人でもよく知っている有事の際に活躍する部隊で、「警察最後の砦」とも言われている精鋭集団です。

機動隊は第1小隊~第10小隊(都道府県によって規模は異なる)などそれぞれの小隊に分かれており、それぞれで担当する業務が異なります。

あくまで一例ですが、機動隊の小隊は

  • 潜水部隊
  • 爆発物処理部隊
  • レンジャー部隊
  • 銃器対策部隊
  • 広域援助隊

などの業務があり、それぞれの小隊で担当の業務が決まっています。

例えば「爆発物ではないか?」という通報があれば爆発物処理部隊が出動しますし、水難事故があれば潜水部隊が出動するという流れになります。

機動隊は担当する業務のスペシャリストでなければいけないので、それに伴って日々厳しい訓練が行われているところでもあります。

特に銃器対策部隊やレンジャー部隊は機動隊の中でも最高峰のレベルが求められるので、優秀な警察官が多く所属しています。

また、柔道や剣道の全国大会に出場するような強豪選手や武道枠で採用された人が特別訓練員として所属するのも機動隊です。

機動隊は警察官の仕事の中で最も上下関係が厳しい部署でもあるので、機動隊に入隊する場合はそれ相応の心構えが必要となります。

機動隊の新人隊員は本当に大変な立場ですし、入隊してしばらくはなかなか気が休まる時間もありません。

合う合わないが顕著

機動隊は精鋭部隊であり、日々厳しい訓練を行わなければいけないため、人によって合う合わないがはっきりと出てしまう。希望していなかった機動隊に異動して退職に至るケースも珍しくない。

冒頭でも少し説明しましたが、はっきり言って「機動隊に行きたい」と思っている若手警察官は圧倒的少数派です。

どちらかと言えば機動隊は恐れられる部署になりますので、機動隊を希望する人はあまりいません。

しかし、残念ながら機動隊は希望していなくても配属される可能性があるので、若手警察官ならば覚悟だけはしておく必要があります。

機動隊は隊長等を除けば年齢が若い警察官で構成されているので、警察学校を卒業してから2年後に27歳以下という人は機動隊に異動になる可能性があることを覚えておきましょう。

逆に言えば警察学校を卒業して2年後に28歳以上になる人は機動隊に異動になる確率はかなり低いです。

機動隊は大前提として心身ともに丈夫で健康な人でなければ務まりませんので、必然的に若い人材が求められるところなのです。

機動隊のメリットとして昇任しやすい環境にあるというものがあり、実際に機動隊にいる間に昇任していく人は非常に多いです。

その理由としては

  • 優秀な人材が多く刺激を受けやすい
  • 若くても勉強して昇任する風土がある
  • 試験前は勉強に専念させてもらいやすい

などの理由ががあります。

20代で警部補になるような人材がいるのも機動隊の特徴ですので、自然と周りも勉強しなければいけないという雰囲気になりやすいのです。

警備課 右翼・左翼対策係

警備課 右翼・左翼対策

右翼・左翼対策係は公安係とも呼ばれ、日本の治安を揺るがすことを計画している過激派組織の捜査にあたります。

その捜査は公に行われるわけではなく、公安係がどんな仕事をしているのかは同じ警察官でも知る機会はありません。

それだけ秘密裏に仕事をしており、その仕事内容については家族にも話してはいけないレベルのものです。

私自身も公安係のすべてを知っているわけではなく、どんな仕事をしているのかざっくり知っている程度ですが、残念ながらブログで公開できるような内容ではありません…(笑)

よって、公安係はなによりも秘密を守るということが大事になり、機密情報を扱う機会も多いためガードの堅い人でなければ務まりません。

ひとたび機密情報を流出させようものなら大きな処分を受けることになりますので、警察官の仕事の中でも情報のセキリュティレベルは最高峰です。

情報のセキュリティについては警備課全体に言えることなのですが、警備課はとにかく情報を保持しなければいけないので、情報については高い意識を保つ必要があります。

情報流出=退職も

警備課の扱う機密情報は国家機密に近いレベルの情報もあるため、万が一そのような情報を流出させた場合は退職の可能性も大いにある。一般的な警察官が扱う情報とは一線を画しているため、十分注意が必要。

公安係というと国家を転覆させるような過激派組織と対峙するイメージがあるかもしれませんが、時代が令和になり、そのような組織も影を潜めているのが現状です。(組織の高齢化も目立つ)

確かに昭和の時代には過激派組織によって警察官が殺害されるような事件や組織同士の対立事件が相次いでいましたが、今ではそこまでの事件は皆無に等しい状況となっています。

今では市民系の右翼・左翼グループがデモ行進をすることはありますが、それを警察が鎮圧する必要があるようなレベルには至っていません。

よって、時代とともに公安係の役目も薄くなっていくのではないかというのが個人的な推測です。

ちなみに過去に存在した過激派組織が起こした事件については警察学校でしっかり勉強することになります。

刑事や交通のように警備の授業もありますので、自分たちが知らなかった時代のことを勉強するいい機会となるでしょう。

興味のある方は「あさま山荘事件」や「成田闘争」について調べてみてください。

まとめ

今回は警備課の仕事について紹介しました。

警備課は警察官の仕事の中でも特殊な業務が多く、さらに機密情報を取扱う機会も多い部署となります。

同じ警察官でも「警備課ってどんなことをやっているんだろう」と疑問を持つほどなので、色々と秘密に包まれた部署であることは間違いありません。

また、一般的にも知られている機動隊は「警察最後の砦」と呼ばれる精鋭部隊です。

機動隊はその厳しさから希望者が少ないところですが、年齢が若い警察官であれば希望をしていなくても入隊する可能性があることを覚えておかなければいけません。

警備課を希望する場合はアピールの方法がいくつかあるのですが、申し訳ないことにブログではその方法をお伝えすることができません。(守秘義務に関わることになるため)

ですので、警備課を目指すのであれば警察官になってから先輩や上司に教えを受けるようにしてください。

noteACT

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