意外と知られていないかもしれませんが、警察官が仕事中に持っていれば便利なアイテムはいくつか存在します。
便利アイテムというよりも、むしろ私の経験上では警察官なら持っていなければいけない必須アイテムと言えます。
この必須アイテムについては持っているのと持っていないのとでは大きな違いがあり、アイテムによっては仕事をする上で欠かせないものもあります。
そこで今回は文房具編と題し、私も愛用していた警察官の必須アイテム(文房具)を6つ紹介したいと思います。
警察官はどんな部署でも書類作成をする機会が多く、それに伴って文房具を多く使用する。もちろん文房具は備品として警察署や交番にある程度は置いてあるが、個人的に所有しておくとより便利になる。
特に地域課の警察官は文房具を持ち歩いていないと困る場面が多いので、新人警察官でもしっかり必要なアイテムを用意しておかなければいけません。
(警察学校卒業後は必ず2年間は地域課での勤務となります)
先輩や上司からすると警察官に必要なアイテムについては誰でも持っていて当たり前という感覚なので、いちいち細かいところまで教えてくれない場合があります。
その上、必要なアイテムを持っていなければ「なんで持ってないんだ!」と上司からお叱りを受けることもあるでしょう。
私も経験がありますが、後に紹介するアコーディオンファイルの存在をまったく知らず、あるとき先輩から「なんで必要なのに持ってないの?知らないの?」と突然怒られた経験があります。
そういった私の経験を踏まえ、この記事ではこれから警察官として勤務する方が困らないようにあれば便利な警察官の便利アイテムについて紹介していきます。
すべて私が警察官時代に実際に使っていたものを紹介しますので、これから警察学校に入校する方や警察学校の卒業が近い方は是非参考にしてください。
文房具を持ち歩く理由
まず、警察官が文房具を持ち歩く理由について解説します。
冒頭でも触れた通り、警察官はどこの部署で勤務していても書類作成という仕事が付きものです。
書類作成がない部署は警務課や機動隊などの一部の部署のみで、ほとんどの警察官は仕事をする上でなにかしらの書類を作成します。
書類を作成した後、作成者の名前は必ずボールペンで手書きし、名前の横には印鑑を押すことが必要になります。(これをよく署名押印といいます)
この時点でボールペンと印鑑を使っていますし、書類によっては線を引くことがあるので、その場合は定規も必要になります。
さらに作成した書類が何枚にもなる場合はホッチキスで綴じる必要も出てきます。
警察署で勤務する刑事課や生活安全課なら自分の机にこれらの文房具を入れておけばいいのですが、現場で勤務する地域課の警察官はこれらの文房具を持ち歩く必要があるのです。
警察官が書類を作成するとき、パソコンがある場所ならパソコンを使って作成するが、現場にいるときは手書きで書類を作成することになる。そうなれば使いやすいボールペンは必ず持っておかなければいけないし、その他の文房具も用意しておく必要がある。
そのため、特に新人警察官なら必要な文房具は揃えておかなければいけませんし、持っていないことで上司から怒られる場面も出てきてしまいます。
そうならないためにも警察官に必要な便利アイテムを紹介していきますので、これから警察学校に入校する方や間もなく警察学校を卒業する方に是非参考にしてもらいたいです。
多機能ボールペン
まず最初に紹介するのは多機能ボールペンです。
警察官はボールペンを使う機会が非常に多いので、ボールペンにはこだわった方がいいと思います。
なにより自分にとって書きやすいボールペンがいいですし、安くてよくカスれてしまうようなボールペンは使わない方がいいでしょう。
また、ボールペンは黒色だけでなく、赤色やシャーペンも一緒になっている多機能タイプのものが一番理想的と言えます。
地域課だけでなく、刑事課や生活安全課の警察官も使いやすいボールペンを使うのが理想です。
警察官はボールペンを使う機会が多い分、ボールペンをなくす機会も非常に多い。どこかに落としたり、どこかに置き忘れたりするので、買い替える機会が多くなることも覚えておこう。
一番おすすめするボールペンは私も警察官時代に愛用していた三菱鉛筆のジェットストリームです。
このジェットストリームはおすすめというより、もはや一択と言えるくらい重宝していたボールペンです。
周りの警察官もこのジェットストリームを使っている人が多かったです。
ジェットストリームには色々な種類があってどれを使うべきか迷うのですが、今回紹介する2色+シャーペンというタイプのもので十分です。
なにか特別すごいボールペンというわけではないのですが、いくつか試した上でこのジェットストリームが書きやすかったですし、2色+シャーペンというのも使い勝手が良かったです。
周りの警察官も圧倒的に使用率が高かったことからまずこれを使っていれば間違いありません。
警察官は黒色と赤色のボールペンが必要になる場面が多く、シャーペンも使う機会があります。
それぞれで持っていると邪魔になりますし、今回紹介するジェットストリームのように一体になっているものが便利です。
かなり書きやすいボールペンなので、警察学校でも十分使えると思います。
ジェットストリームはインクがなくなったら芯を替えて使うことができる点もおすすめのポイントです。
ボールペンを選ぶ際は是非参考にしてください。
警察官はボールペンを使う機会が非常に多いため、それだけインクの消耗も激しい。替芯もしっかり用意しておかないといざというときに困るため、予備の芯を3本程度は用意しておこう。
参考ですが、今回紹介したジェットストリームの替芯は下記のものになります。
ジェットストリームはボールペンの型番によって替芯が異なりますので、その点は注意してください。
加圧式ボールペン
続いて紹介するのはまたボールペンになってしまうのですが、普通のボールペンではありません。
その名も「加圧式ボールペン」です。
このボールペンの最大の強みはどんなときでもカスれないというところにあります。
実際に私もパトカーに乗っているときに重宝していましたが、カスれて文字が書けなかったという経験は1度もありませんでした。
なぜこの加圧式ボールペンをおすすめするのかというと…
警察官は瞬時にメモをとる場面が多々あり、「ボールペンがカスれて書けなかった」となってしまった場合に大きな痛手となるからです。
さらにたかがこんなことでも激怒してくる上司がいるため、十分に注意が必要なのです。
- ナンバーをメモするとき
車のナンバーをメモする場合、動いている車であれば一瞬でナンバーをメモしなければいけない。特に不審車両はパトカーに気付くとすぐに逃走するため、ボールペンのカスれが命取りとなる。
- 無線で指令を受けたとき
指令担当者から無線で指令を受けたときは必ずメモをとる。それは通報の場所、通報の内容などが指令されるが、厳しい上司だと1回でしっかり聞き取らないと怒られることもある。
- 手配事項をメモするとき
重要事件が発生した場合、犯人の逃走方向や犯人の特徴が無線で手配をされる。手配事項が多ければ多いほど素早くメモをとらなければいけないため、確実にメモをとる必要がある。
警察学校卒業後2年間は必ず地域課での勤務となりますので、警察官なら誰もが瞬時にメモが必要な場面に遭遇することだと思います。
メモをとりきれなかったとき、「まぁ仕方ないね~」と言ってくれる上司もいますが、「お前はなにをやっとるんだ!」と厳しく叱る上司もいます。
そんなことにならないためにも今回紹介する加圧式ボールペンがおすすめというワケです。
長くパトカーに乗っていた私が愛用していたものなので、地域課で勤務するならば持っていて間違いはありません。
普通のボールペンに比べて少し値段は高くなっていますが、自信をもってそれだけの価値があることをお伝えしておきます。
こちらも替芯を用意しておくと非常に助かるので、セットになっているものを紹介しておきます。
※楽天市場は取り扱いなし
この加圧式ボールペンは芯の太さが0.7になっていますので、書類を書くときには先ほど紹介したジェットストリームを使った方が書きやすいです。
もちろん加圧式ボールペンでも書類は書けますが、どちらかと言えば瞬時にメモをするために使うとより効果的だと思います。
アコーディオンファイル
続いて紹介するのはアコーディオンファイルです。
あまり馴染みがないかもしれませんが、警察官なら持っておきたい便利アイテムになります。
アコーディオンファイルが便利な理由は普通のファイルに比べて
- 多種多様な書類を収納できる
- 一目でどこになにがあるかわかる
- 予備の書類をたくさん入れておける
という利点があるからです。
地域課の警察官は通報のあった現場で書類を手書きする機会が多いのですが、そのために普段から色々な書類を持ち歩いています。
その書類とは被害届はもちろんですが、保護を行った際に必要な保護票、相手からモノを提出してもらう際に書く任意提出書など少なく見積もっても10種類ほどの書類を持ち歩く必要があります。
そのため、これら複数の書類は鞄に入れて持ち歩いていなければいけないので、その書類を収納するファイルが必要になるというわけです。
そこで非常に役に立つのがアコーディオンファイルです。
私自身も警察官になるまで使ったことはありませんでしたが、使ってみてその便利さに驚きました。
これ1つを持っておけば複数の書類を収納できますし、予備の書類も入れておくことができるのですごくおすすめです。
さらにそれぞれに見出しがついていて、どこになんの書類があるのか一目でわかる点も優れています。
補足ですが、書類を準備しておくのは当然ながら新人警察官の役目です。
上司と一緒に行動する場合は新人が書類を持っていて当たり前なので、しっかり準備しておきましょう。
私は新人が書類を持ち歩くことを知らず、ある現場で上司から「この書類出して」と言われたとき、「すいません、持っていません…」と答えて怒られた経験があります。
持ち歩くべき書類はいくつか決まっていますので、警察学校を卒業して警察署に赴任したら先輩に確認するようにしてください。
折りたたみ式定規
次に紹介するのは折りたたみ式定規です。
警察官は地図や見取図を書く機会が非常に多いので、定規はどちらかと言えば必須アイテムともいえます。
警察官が作成する地図や見取図はフリーハンドで書いてはいけないものがほとんどなので、線を引くときは必ず定規を使います。
また、書類に斜線を引くことも多く、そういったことを考えると30cmのものが理想なのですが、30cm定規を持ち歩くことは困難です。
15cm定規なら簡単に持ち歩けるものの、サイズ的に少し足りない場合があり、だからと言って15cm定規を2本組み合わせて使うのもナンセンスです。
そこで便利なのが折りたたみ式定規です。
これは15cm定規が折りたたみ式になっているので、広げると30cmになります。
これ1本で定規の問題が解決するので、携帯しておきたい便利グッズになります。
ほとんどの警察官がこの折りたたみ式定規を使っているので、これ1本を持っておけばまず間違いありません。
最悪、15cm定規を持っていればなんとかなりますが、定規を持ち歩かないという選択肢だけは選ばないようにしてください。
ワンタッチ式印鑑ホルダー
続いて紹介するのはワンタッチ式印鑑ホルダーです。
時代は令和になり、世間は印鑑を廃止する動きに向けて加速していますが、残念ながら警察官は印鑑を超使用するので、絶対に印鑑が必要になります。
これでもかというくらい印鑑を使いますので、印鑑は常に2本は持ち歩いていました。
今後、警察でも印鑑廃止の動きは出てくると思いますが、まだまだ時代に追いついていないのが現状です。
印鑑を用意する際の注意点としてはシャチハタがNGということです。
警察官が使用するのは朱肉で押すタイプの認印になりますので、誤ってシャチハタを用意しないように気を付けてください。
そこで便利になるのがワンタッチ式印鑑です。
これは印鑑をセットしておけばわざわざ朱肉を押す必要がなく、ロックを解除すればすぐに印を打てるという商品です。
これもほとんどの警察官が持っていますので、ほぼ必須アイテムと言えます。
印鑑は警察学校でも頻繁に使いますし、その後も絶対に必要になるものなので、警察学校入校前に用意しておくのがベストです。
そしてこれも私の実体験になりますが、警察官は印鑑を使う機会が多い分、印鑑を床に落としてしまうことも多かったので、よく印鑑が欠けてしまいました。
欠けた印鑑を使うのは色々問題があるので、その度に印鑑を買い直していた記憶があります。
そのため、できれば落としても欠けにくい耐久性のある印鑑を作ることをおすすめします。
値段は少し高くなってしまいますが、コストパフォーマンスを考えれば最初に頑丈な印鑑を作っておくのが正解です。
今ではチタン製の印鑑も発売されており、警察官に向いている印鑑だと思いました。
印鑑は通販でも購入できますので、下記のサイトを参考にするのもアリです。
警察学校入校前もしくは卒業前に印鑑は最低でも5本用意しておこう。警察署に赴任したら携帯する印鑑、署に預ける印鑑、交番に置いておく印鑑など、とにかく印鑑のストックが必要になる。
1本だけでは絶対に足りないので、印鑑だけはケチらずに用意しておこう。
印鑑について、もう1つの注意点が必ず同じ印影のものを用意するということです。
警察官は書類の訂正をするときに訂正印を押しますが、訂正印はすべて同じ印影のものを使わなければいけないというルールがあります。
よって、いくつも違う印影の印鑑を持っていると、そもそも自分がどの印鑑を使ったかわからなくなってしまうので、非常に困ることになります。
場合によっては「この印鑑この前のと違うじゃん!」と刑事課から怒られることもあるので、印鑑を作る場合は最初に同じ印影のものを複数作るというのが鉄則です。
お金は少しかかってしまいますが、警察官ならケチるところではありません。
まだまだ警察では印鑑文化が根強く残っていくと思いますので、警察学校入校前にまとめて作っておきましょう。
なお、警察官は「ポリスメイト」という専用の印鑑ケースを使用しますので、大きすぎる印鑑は収納できない可能性があります。
よって、印鑑のサイズは12mm程度のものがいいと思います。
書類綴じ用ホッチキス
最後に紹介するのは書類綴じ用ホッチキスです。
警察官の仕事はとにかく書類作成が多く、最終的に書類はホッチキスかヒモで綴じることになります。
書類の量が多くなりやすいため、ホッチキスを使用する場合はそれだけの量をしっかり綴じることができるホッチキスが必要になるのです。
100円で売っているようなホッチキスでも問題ないのですが、これだと大量の書類を綴じる場合にうまくできません。
できれば多くの書類を綴じることができるホッチキスを持っておいた方が便利ですし、ホッチキスで困ることがなくなります。
ですので、今回紹介するような最大40枚でも正確に綴じられるようなホッチキスがおすすめです。
ホッチキスは警察署や交番の備品として置いてありますが、私は個人的にこのタイプのものを1個持っていました。
その理由は
- 備品の数には限りがあり、古くてボロいものが多い
- 他の人と共有すると使いたいときに使えない
- 備品は突然どっかにいってしまうことがあり、使いたいときにないことがある
という理由でした。
ホッチキスは恐らく警察学校でも必要になるものなので、最初にこのようなタイプのものを買っておけばその後も使えます。
まとめ
今回は警察官の便利アイテムについて、文房具編と題して紹介しました。
意外と思われたかもしれませんが、警察官はこれだけ色々な文房具を使う仕事です。
持っているのと持っていないのとでは大きな差がありますし、中には警察官なら持っていて当たり前という文房具もあります。
また、新人警察官なら絶対に持っておかなければいけないアイテムもあります。
特に印鑑については色々と注意点がありますので、知らなかった方は知識として覚えておいてください。
今回紹介したものはすべて私が実際に使っていたものですし、同僚も使っていたものばかりですので、これから警察学校に入校する方などは是非参考にしてください。