新着記事「警察官 大変だった仕事ベスト5」

【警察官採用試験】高卒と大卒の警察官はどう違う?昇任・給料・進路などについて解説

警察官は高卒と大卒の区分があるけど、実際どれくらい違うものなんですか?

警察官採用試験には大きく分けて高卒大卒の2つの区分があります

これは受験者の最終学歴によって分けられているもので、高卒の受験者が大卒区分の試験を受けることはできませんし、その逆もできません。

採用試験においての違いは、筆記試験の難易度が少し違うくらいで、その後の論文試験や面接試験の内容が大きく変わるわけではありません。

ですので、採用試験の段階では高卒も大卒もさほど変わらないものと考えていいでしょう。

 

しかし、高卒と大卒では警察官になってからの違いがいくつかあります。

 

高卒と大卒の主な違い
  • 警察学校の入校期間
  • 給料、昇給
  • 昇任試験の受験資格
  • 警察官としてのキャリア形成

 

警察官の仕事内容としては「高卒だからこの仕事はできない」「大卒だからこの仕事ができる」という違いはまったくありませんので、気にしすぎる必要はありません。

どちらかが有利というものではありませんし、高卒と大卒それぞれに特徴があるものです。

この記事では警察官における高卒と大卒の違いについて、元警察官の実体験も含めてそれぞれ詳しく解説していきます。

>>【合わせて読みたい】「警察学校でこれだけはやるな!警察学校でのNG行動集」

 

高卒・大卒の制度面での違い

①給料・昇給に違いがある

これは警察官だけに限ったことではありませんが、高卒と大卒を比べるとまずは待遇の面で違いがあります。

それは給料や昇給について違いがあり、大卒の方が金額的には優遇されていると言えます。

当然、初任給についても待遇の差があり、警視庁の場合では

  • 大卒(Ⅰ類)初任給 25万3,300円
  • 高卒(Ⅲ類)初任給 21万3,900円

となっています。(令和2年度警視庁募集要項より)

これを見ると高卒と大卒では初任給で約4万円もの差があることがわかります。

ちなみに大阪府警の初任給は

  • 大卒初任給 約20万2,900円
  • 高卒初任給 約16万4,800円

となっていました。(大阪府警公式HPより引用)

やはりここでも約4万円の差があることがわかります。

ちなみに警視庁は全国でも一番給与水準が高くなっているので、他の県警の場合は大阪府警の初任給の水準を参考にするといいでしょう。

また、公務員は原則年1回の昇給がありますが、昇給の面でも高卒と大卒では少し違いがあり、大卒の方が昇給する金額は高めです。

年齢を重ねて階級も上がっていけばその差は縮まっていきますが、しばらくは大卒の方が給料は高いということになります。

 

警察官の給料に反映されるもの
  • 年齢

23歳と30歳では初任給に違いがあり、年齢が高い方が初任給は高い。

そのため、同期でも年齢によって給料が異なる。

  • 社会人歴

年齢に加え、前職の経歴によっても給料に違いが出る。

よって、社会人歴があれば給料は少し高くなる。

  • 部署や規模の違い

一般的には刑事課は他の部署より給料が高めになっている。

部署によって給料は異なるし、警察署の規模によっても異なる。

 

昇給の面でも差が出てくるので、高卒は大卒と同じ激務なのに給料が安いという点がデメリットと言えるかもしれません。

>>【関連記事】「これだけは習得しておきたい!警察官の必須スキル5選」

 

 

②警察学校の入校期間が異なる

高卒と大卒では警察学校に入校している期間が異なります。

高卒は約10か月、大卒は約6か月となっており、高卒の方が約4か月長く警察学校に入校していなければいけません。

そのため、同じ4月に入校したとしても大卒は9月末で卒業するのに対し、高卒は1月末に卒業することになるので、現場に出るタイミングは大卒の方が早くなります。

高卒は約10か月の期間を警察学校で過ごすことになるので、大卒に比べて授業の回数が多いですし、それに伴い試験の回数も多くなります。

規律が厳しくて自由の少ない警察学校はなるべく早く卒業したいものですが、この点でも高卒はややデメリットと言えるかもしれません。

なお、警察学校を卒業した後の流れについては下記の記事で詳しく解説していますので、是非こちらもご覧ください。

>>【関連記事】「警察学校を卒業した後はどうなる?警察学校卒業後の流れを詳しく解説」

 

警察学校も慣れてしまえばだいぶ楽な生活にはなるのですが、あまり長い時間を過ごしたい場所ではありません。

ただ、それだけじっくり勉強する時間があるということなので、先を見据える人はこの長い期間を有意義に過ごしたいところです。

 

 

③昇任試験の受験資格が異なる

警察官は巡査や巡査部長など階級が定められていますが、階級を上げるためには昇任試験に合格しなければいけません。

この昇任試験というのは、警察官になったからといってすぐに受験できるわけではなく、採用されてからある程度の年数を必要とします。

この昇任試験の受験について、受験資格を得るまでに高卒と大卒では年数が異なります。

 

昇任試験の受験資格
  • 高卒程度

採用から4年後に巡査→巡査部長試験の受験が可能。

  • 大卒程度

採用から2年後に巡査→巡査部長試験の受験が可能。

 

給料と同じようにここでも高卒と大卒では差があり、昇任試験を初めて受験できる年数に2年の違いが出てきます。

なお、警察官の階級については下から

巡査(巡査長)→巡査部長→警部補→警部

となっており、昇任試験に合格しなければ昇任することはできません。

いつまでも昇任試験に合格しなければ40代でも巡査(巡査長)のままです。

(警部以上の階級については今回は省略とします。)

 

キャリア組を除いては最初は全員が巡査からのスタートとなります。(警察学校に入校した時点で巡査となります。)

なので、大卒の新卒23歳で警察官になれば、25歳の頃には初めて昇任試験を受けるチャンスがきます。

一方、高卒の場合は巡査部長試験を受験できるのは採用から4年後ですので、高卒18歳で警察官になれば、22歳の頃には受験できます。

年齢だけで見ればほぼ違いはありませんが、大卒の方が早く出世するチャンスが巡ってくるということになります。

 

年齢に関係なくチャンス

警察官の昇任試験は受験資格を満たしていれば受験できるため、年齢に関係なく昇任できる点は魅力。優秀な人材は20代にして幹部になることもある。

 

また、巡査部長試験に合格した後、大卒ならばその2年後には警部補の試験が受験できます。

25歳で巡査部長になったとして、27歳の頃には警部補の試験が受験できるということです。

高卒の場合だと、巡査部長試験に合格してから4年後に警部補試験の受験が可能となりますますので、22歳で巡査部長になったとして、26歳の頃には警部補の試験が受験できます

一見すると高卒の方が若くして昇任できるように見えますが、22歳で巡査部長試験に合格できる人は本当にごくごく一部です。

さらに20代で警部補になれる人もわずかしかいませんし、なにより昇任試験を一発で合格できる人が少ないです。

ですので、昇任試験は早く受験できるに越したことがないので、やや大卒の方が有利かと思います。

 

なお、巡査長という階級は巡査と同じ扱いですので、巡査長になるのに昇任試験は必要ありません。

巡査である程度の年数を重ねれば自然と巡査長に任命されます。

ただし、大卒ならば4年程度で巡査長になれますが、高卒だと倍の8年程度かかることがあります。

巡査長になることに関しては圧倒的に大卒が有利と言えます。

>>【関連記事】「警察官の仕事ってどれくらいきついの?残業、休日、人間関係などを解説」

 

 

④高卒だと機動隊に行く確率が高くなる

警察学校を卒業して2年間は必ず地域課での勤務となりますが、その後に部署を異動する機会がやってきます。

そのまま部署が変わらない人も多いですが、警察学校を卒業してから2年後というのは機動隊留置管理課に行くタイミングでもあります。

特に機動隊は若い人材が必要になる部署ですので、例えば20歳と27歳がいれば、20歳の方が機動隊には必要とされやすいです。

もちろん大卒でも機動隊に行く人はたくさんいますが、年齢が1つの基準になることは覚えておいてください。

実際に私も警察学校を卒業してから2年後には28歳でしたので機動隊には選ばれませんでしたが、25歳や26歳の同期は機動隊に選ばれていました。(大卒)

機動隊は上下関係が厳しく、大変な勤務も多いので、機動隊を希望する警察官はあまりいません。

どちらかと言えば「機動隊は行きたくない…」という人の方が多いのですが、高卒の方が機動隊に行く確率は高いと言えます。

 

機動隊のメリット

機動隊は希望者が少ない分、昇任試験には合格しやすい傾向にある。それは勤務評価が高くなりやすく、幹部からも勉強を指示されるため、機動隊出身者は若くして出世する人も多い。

 

ちなみに機動隊には2種類あり、一般的な機動隊のほか、管区ごとに区分けされている管区機動隊があります。

いずれも仕事内容には大きく差はありませんが、機動隊は所属の都道府県内での活動が多く、管区機動隊は県外へ派遣されることが多いです。

>>【関連記事】「警察官の仕事はブラックなのか…?元警察官が徹底検証」

 

 

高卒のメリット 警察官になる年齢が若い

高卒のメリットとして、なにより若くして警察官になれることが挙げられます。

警察官の世界は先に警察官になった者が自動的に先輩となりますので、18歳で警察官になった場合、自分より後から入ってくる人たちはすべて後輩となります。

いくら年齢が若くても先輩は先輩ですので、必然的に若くして警察官になれば先輩扱いされる機会は多いです。

例えば自分の同級生が大卒で警察官になったとき、高卒で入った自分とは4年もの差があります。

警察官の世界で4年というのはとても大きな差なので、大卒の同級生から見れば”大先輩”という扱いになります。

なんだかんだで先輩後輩の関係というのは一生続くので、早く警察官になればなるほど先輩になれるというわけです。

 

見た目だけではわからない

警察官の世界は年齢、階級、期生など上下関係の決まる項目が複雑であるが、最も大事なのは期生。とにかく期生が上の者が先輩になる。

よって、自分より年齢が若い先輩というのは当たり前に存在するので、見た目だけでは先輩後輩が判断ができない。

 

警察官になる年齢が若いことのもう1つのメリットは、希望の部署に行きやすくなることです。

警察官は様々な部署があり、きっと「警察官になったらこの仕事がしたい」という希望を持っている方も多いでしょう。

ただし、希望しているからと言って必ずその部署に行けるわけではありません。

希望の部署に行くためには色々な要素が必要になってきますが、なにより見られるのは年齢です。

年齢が若ければ若いほどチャンスが大きいです。

例えば「刑事を希望してる若手を育てよう」となったとき、能力や実績が同じ25歳と30歳が同じタイミングで希望していたらどうなるか。

能力が同じであれば、大多数が「若いから」という理由で25歳を選ぶことになります。

それだけ年齢というのは重要な要素になってきますので、若くして警察官になればなるほど可能性が広がるということです。

ただし、あくまで有利というだけで、すべて年齢で優遇されるわけではありませんし、年齢が高くても希望の部署に行くチャンスはあります。

希望の部署に入ることについては下記の記事で詳しく紹介しています。

>>【関連記事】「最初の2年が勝負!警察官になって希望の部署に入れる確率はどれくらい?」

 

 

高卒のデメリット 給料に違いが出てしまう

先ほども紹介した通り、高卒と大卒では給料の面で差があります。

高卒の人からすれば、大卒に対しては「同じ仕事をしているのになんでこんなに給料に違いが…」という気分になってしまいがちですし、実際にそう嘆く人はいました。

さらに昇給の金額にも少し違いがあるので、大卒で入ってきた後輩の方が給料が高いという現象が起きてしまいます。

後輩よりも給料が低いというのはなんだか違和感を覚えるところですが、これは警察官に限った話ではなく、民間企業でも同じような待遇となっています。

日本はまだまだ学歴社会なので、高卒と大卒で給料に差がつけられているのは仕方ありません。

 

能力に違いがあっても学歴だけで見られてしまうのは残念ですが、逆にそれをモチベーションとしていきましょう。

「俺は高卒だけどこんなに仕事ができるぞ」とアピールできれば、幹部からも「若いのに立派だな」という評価を受けることができます。

また、警察官は昇任試験に合格すれば年齢に関係なく昇任できるので、高卒ならば若くして幹部のポジションも十分に狙えます。

給料や昇任制度面での違いは年数が経てば経つほど差は縮まっていきますので、やがて気にならなくなります。

>>【警察官の年収】警察官の給料ってどれくらいなの?元警察官がぶっちゃけて公開

 

 

大卒のメリット 高卒よりも早く出世する機会がある

大卒は高卒よりも給料が高いのは嬉しいところですが、それよりも高卒より早く出世する機会があるのは大きいです。

大卒の場合、警察学校でも警察署に赴任してからも高卒の若い先輩に色々と指示を受けることがあります。

中には自分よりも若いのにとても生意気を言ってくる高卒の先輩もおり、これを「おもしろくない」と思う大卒警察官は多いです。

しかし、警察の上下関係は絶対なので、いくら自分より若いからと言っても先輩に逆らうことはできません。

 

勘違いする高卒が多い

先輩後輩の上下関係は絶対であるため、それを勘違いして偉そうな態度を取る高卒警察官は非常に多い。自分より年上の後輩に向かって厳しい言葉をかけることも当たり前なので、大卒はそういった面で我慢が必要。

ただ、年齢を考えて謙虚な態度を取る高卒警察官がいるのも事実。

 

この立場を逆転するには昇任試験に合格するしかないのです。

大卒であれば採用2年後にはもう昇任試験を受ける機会がやってきますので、ここで合格すれば一気に立場は逆転できます。

昇任試験に一発で合格するのは非常に難易度が高いですが、状況を変えたければ勉強をするしかありません。

それだけ早く昇任する機会がくるのは大卒最大のメリットと言えます。

 

 

大卒のデメリット 特になし

私自身も大卒警察官だったのでデメリットを考えてみたのですが、特に見つかりませんでした。

高卒と大卒のどちらが有利不利ということもありませんが、大卒のデメリットは特にないかと思います。

強いて言うならば、やはり高卒の若い先輩に大きな態度をとられることくらいでしょうか。

警察官の世界は期生がすべてなので、同世代でも高卒の方が先輩になります。

ただ、これも最初は気になりますが、時間が経つと気にならなくなるので、そこまでのデメリットではありません。

人数で言えば大卒警察官の方が多いので、同じような気持ちを味わう人は多いでしょう。

>>【関連記事】「警察官への転職ってどうなの?元会社員の経験者が詳しく解説」

 

 

まとめ

今回は警察官における高卒と大卒の違いについて紹介しました。

やはり一番大きな違いは給料の面なので、高卒であればしばらく給料については我慢をしなければいけません。

さらに昇任試験の受験に関しても大卒の方が早く受験できるので、ここでも違いがあります。

ただし、高卒であれば18歳で警察官になれますので、後から入ってくる者はすべて後輩になります。

高卒は同世代の大卒よりもかなり先輩になれるという面ではメリットと言えるでしょう。

それだけ警察官の上下関係は厳しいです。

 

ただし、最終学歴というのは今さらどうしようもないので、高卒・大卒の違いをそこまで気にする必要はないと思います。

確かに多少の違いやメリット・デメリットはありますが、警察官として年数が経てば差は縮まっていきますし、そこまで気になることではありません。

あくまでこれくらいの違いがあるということを紹介しましたので、1つ参考としてください。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です