警察官の仕事で一番メインになってくる仕事は通報への対応です。
どこの部署で働いていたとしても基本的には市民からの相談や通報によって仕事が始まります。
通報というのは110番通報はもちろんですが、警察署への電話、交番への相談など形は様々です。
警察官である以上、虚偽の通報でない限り、通報に基づいて動きをとることになります。
必然的に人口が多い地域では通報が多くなりますし、人口が少ない地域では通報も少ない傾向にあります。
通報がほとんどない平和な1日というのもありますが、警察署で勤務していると次から次へと通報が入るのが日常的と言えます。
110番通報は緊急性の高いときに使用するものだが、実情は必ずしもそうとは限らない。適切な110番通報は日本社会の課題とも言える。
警察官を8年経験したからこそわかりますが、通報の内容は本当に多種多様なものがあります。
人命に関わる緊急なものから警察官の対応が不要なものまで、大小問わず様々な通報が寄せられます。
携帯電話が普及した結果、いつでも110番通報ができるようになったのは便利なことかもしれませんが、気軽に通報できてしまうのは弊害とも言えるかもしれません。
もちろん、警察官は通報があれば基本的に動くものなので、現場に行ってみたら大した内容ではなかったということも多々あります。
そんな中でも対応が大変な通報というものが存在しますので、この記事では警察官時代に大変だった通報について紹介します。
これから警察官を目指す人に少しでも参考になれば幸いです。
通報の仕組み

まずはじめに通報の仕組みについて紹介します。
冒頭でも紹介したように警察官は通報や相談に基づいて仕事をすることが多いので、業務の中で通報が占めるウエイトは大きいと言えます。
当然、通報が入ったのに無視することはできませんし、特に地域課で勤務する場合は通報が入ればすぐに動くことになります。
通報は大きく分けて3つの方法があり、それぞれで若干の違いがあります。
- 110番通報
最も一般的で馴染みのある通報が110番通報です。
その名の通り、電話で110を押すことで通報することができます。
110番通報を行うとそのエリアを管轄する警察本部の指令部に繋がり、通報内容を伝えることができます。
警察本部に入った通報は各警察署へ情報が転送され、そこから現場の警察官の対応が始まる仕組みです。
110番通報は原則として緊急性の高い通報に限られるべきですが、110番ではなくてもいい通報や緊急性の低い通報も入っているのが現状です。
なぜ110番通報は緊急性の高い通報に限られるべきかというと、事件や事故はいつ発生するかわからず、重大事件が起きたときには組織力を結集して迅速な対応が必要になるからです。
不要不急な110番通報が入るだけで人員を割かなければならず、いざ緊急性の高い通報が入ったときに本来の警察の業務が遂行できなくなる恐れがあります。
都心の警察本部では1分1秒を争うかのように次々と110番通報が入りますが、すべての通報に対応しています。
重大事件の可能性がある110番通報は警察本部から各地域のパトカーへピンポイントで直接指令が出されることもある。
- 警察署通報
110番通報以外で、警察署へ直接電話をする通報もあります。
これは各地域の警察署の電話番号に連絡するもので、110番通報と大きな違いはありません。
警察官の間では「署入電」と呼んだりします。
ただ、110番通報は誰もが知っている番号になりますが、警察署の電話番号は調べないとわからないので、自然と110番通報を行うのが一般的なのかもしれません。
警察署に通報した場合でも流れとしては同じで、担当窓口で通報内容を確認し、対応する警察官に指令が出ます。
緊急性が高いものは110番通報で問題ありませんが、特に緊急性がないものは警察署への通報でも十分と言えます。
各警察署は24時間365日対応を行っているので、通報はいつでも可能。
- 警察署・交番への直接通報
電話をすること以外で通報する手段としては、警察署や交番へ直接行く手段があります。
通報というよりは相談に近いかもしれませんが、急ぎのものなければ問題ありません。
警察署や交番に直接訪問することのメリットは細かい部分まで相談ができることです。
電話だと伝わらないニュアンスでも直接話すことで理解が深まり、適切に対応受理してもらえる可能性が高まります。
交番は時間帯によっては警察官が不在の場合がありますが、警察署であれば基本的にいつでも受付で対応してもらえます。
相談に行く場合は事前に内容や時系列をまとめておくと話がスムーズになります。
緊急性が高いものはその場で110番通報をするべきですが、それ以外の場合は直接訪問する手段も覚えておくといいでしょう。
被害届を提出する場合はより詳細な説明が必要なため、事前にまとめておくのがポイント。
このように大きく分けると通報にも3種類ありますが、警察官はどのパターンの通報においても対応することになります。
通報が入ったのになにも動かないというわけにはいかないので、警察官の忙しさは通報の数によって左右されると言えます。
また、様々な通報が入り、危険度の高い通報であればあるほど現場に急行する際は独特な緊張感に包まれます。
大変だった通報①:交通事故

大変だった通報の1つ目は交通事故です。
地域課や交通課の警察官にとって交通事故は日常茶飯事の通報で、1時間のうちに何度も通報が入るほどです。
交通事故は小さな事故から大きな事故まで様々で、大半が軽微な物損事故ですが、中には車が横転したり、複数台が絡む大規模な事故も発生します。
数が多いからこそ警察官にとってはボディブローのように効いてくる通報になります。
また、交通事故は屋外で発生するものなので、真夏や真冬、大雨など天候によっては非常にハードな通報に変わってきます。
まずはそれぞれの交通事故の対応について紹介します。
最も多く発生するのが怪我人がおらず、処理にも時間がかからない物損事故です。
車同士の事故が一番多いですが、軽い衝突や接触などで車の破損もわずかなので、それぞれの運転手から状況を聞いて書類を作成します。
現場では事故の状況を確認したり、写真を撮ったりして交通事故の詳細を把握することに努めす。
二次的な事故が起きないよう安全面にさえ配慮していればそこまで対応に時間はかかりません。
軽微な物損事故は1日に3、4件対応することも珍しくないので、対応要領はすぐに覚えることができるでしょう。
対応に時間がかかるのが幹線道路や複数台が絡む大規模な交通事故です。
交通事故はいつどこで発生するか予測がつきませんが、必然的に交通量が多い幹線道路で発生しやすくなります。
幹線道路で事故が発生した場合、片側の車線を規制することになるので、激しい渋滞も同時に発生してしまいます。
こうなると警察官は事故の処理に加え、交通整理も実施することになるので、必然的に人手も必要になります。
怪我人がいれば救急隊も駆け付け、現場は物々しい雰囲気に包まれることになります。
また、複数台が絡む事故であればそれだけ現場は混乱することになるので、対応にも膨大な時間がかかります。
自走できなくなった車両はレッカー車で運ぶことになりますが、レッカー車がすぐに来れるとは限りません。
処理を終えるのに平気で2~3時間かかってしまうので、対応する警察官は本当に大変だと思います。
これが真夏や大雨だとさらに追い打ちをかけることになるでしょう。
さらに言うと、警察官自身も2次的な事故に巻き込まれないよう安全確保が必須になります。
こういう現場を経験すると警察官は体力が大事であることを痛感する。
交通事故はよく発生するだけに大きな事故なのか小さな事故なのかで、警察官の対応は大きく異なります。
警察官時代を思い出すと様々な事故の現場が記憶にありますが、長時間立ちっぱなしになる現場は本当に疲れました。
どれだけ疲れたとしても警察官が現場を離れるわけにはいかないので、使命感が求められることでしょう。
大変だった通報②:ケンカ事案

大変だった通報の2つ目はケンカ事案です。
交通事故ほど頻繁には発生しませんが、ケンカ事案は発生すると厄介なこと間違いなしなので、聞きたくない通報の1つでした。
ケンカ事案も些細なものから大事件に発展するものまで規模が異なり、場合によっては長時間の対応が必要になります。
また、命に関わるレベルに達することもある上、警察官自身も巻き添えを喰らうこともあるため、対応には十分注意しなければなりません。
事件性があるものは逮捕に発展し、その場合はそこから長い事件処理へと続いていきます。
お互いを注意するだけで済むのが口論程度のケンカです。
ちょっとしたケンカや言い合いは口論だけで済み、事件に発展することはほとんどありません。
ただし、現場を治めるのは警察官の手腕が問われるところで、警察官の対応がイマイチだと火に油を注ぐ結果となり、事件に発展しかねません。
こういった対応は警察官としての経験がモノを言う場面です。
お互いの話をしっかり聞き、解決の糸口を見つけた上で対応を終了する必要があります。
いずれにしても現場に行ってみないとどのように発展するかわからないので、現場に着くまでは緊張感を感じることになります。
最終的に逮捕する事件に発展するのが大がかりなケンカ事案です。
よくあるのは酔っ払い同士のケンカ、不良同士のケンカ、夫婦喧嘩などですが、110番通報が入るケンカは多種多様なものがあります。
逮捕に発展する=法律に触れる行為があるということなので、相手を殴った・モノを壊したといった事実が確認されると一気に緊張感が高まります。
また、こういった現場は関係者全員が興奮状態にあり、1~2名の警察官だけでは対応できないため、多くの警察官が現場に投入されることになります。
酔っ払いなどは警察官に向かってくることもあるため、警察官自身が巻き込まれないことが大事ですが、場合によっては公務執行妨害で即逮捕することもあり得ます。
荒れる現場は警察官が身の危険を感じることもあるため、高い緊張感が張り詰める。
関係者多数のケンカ事案で、逮捕者も出るような場合は事件処理も大変になり、多大な時間を要することがあります。
お互いが手を出している場合はどのように判断するかも重要になるので、こういった通報にはいい思い出がありません。
繰り返しになりますが、ケンカ事案は警察官が巻き込まれるケースも珍しくないので、対応する際は十分に注意が必要です。
大変だった通報③:変死

大変だった通報の3つ目は変死事案です。
変死事案で最も多いのは「自宅内で亡くなっていた」という形で、通報が入って警察官が現場に駆け付けます。
変死事案は通報が入った時点で人が亡くなっていることが確定しているため、それだけで対応に時間がかかることがわかります。
変死体を取り扱うのは警察官にとって当たり前の仕事ですが、慣れないうちは大変なものですし、できることなら対応したくないものです。
変死が発覚するパターンとしては主に下記の3つの通報があります。
- 新聞受けに新聞が溜まっている
- 知人と連絡がとれない
- 強い臭いが発生している
また、既に救急隊が先に現場に入っており、「死亡が確認できた」という内容で通報が入る場合もあります。
上記のような通報が入ると、どんな仕事をしなければいけないかがわかっている警察官は覚悟を決めて現場に入ります。
変死事案は長期戦になることが多いため、万全の準備を行った上で通報場所に向かいます。
警察官が変死事案で捜査を行う最大の理由は事件性の有無です。
何者かに殺害されたのか、それとも自然に亡くなったのかは天と地ほどの差があります。
多くの場合は後者になりますが、それは現場にいってあらゆることを調べないとわかりません。
現場の状況、交友関係、目撃情報など様々な角度から捜査を行い、判断することになります。
とても1~2時間で終わるものではないので、場合によっては半日がかりでの対応も覚悟する必要があります。
若手警察官は変死事案によく駆り出されることになるため、嫌でも経験を積むことで慣れることになる。
変死事案で最も大変だったのが遺体の腐敗です。
生々しい話なので詳しくは書きませんが、夏場に孤独死が発生する場合、発見されるのが遅くなればなるほど遺体の腐敗が進行します。
そのような現場は強烈な臭いが充満し、警察官の制服に臭いが染み込んでしまうほどでした。
また、エアコンがついていない部屋での対応は警察官自身の体力も大きく消耗するため、本当に過酷な現場だった記憶が強いです。
警察官を退職して何年も経ちますが、変死事案はそれだけインパクトが強いので、割と記憶に残っている現場が多くあります。
腐敗した遺体といっても”汚いもの”を触るような対応はNG。現場には家族がいることもあるので、丁寧な仕事ぶりが求められる。
警察官はどんな現場でも逃げ出すことはできないので、そういった意味でも強い精神力が求められる仕事になるでしょう。
まとめ
今回は警察官時代に対応が大変だった通報について、3つ紹介しました。
今回の記事をまとめると
- 通報は110番通報だけではない
- 大きな交通事故は対応に時間がかかる
- ケンカ事案は警察官も巻き込まれる
- 変死事案は誰もが対応したくないもの
ということになります。
警察官は通報があれば現場に駆け付けなければならず、通報に左右される仕事といっても過言ではありません。
通報内容は様々なものがあり、1日を通して大小問わず多種多様な通報に対応することになります。
今回はその中でも特に大変だった通報について紹介していますので、これから警察官を目指す方はぜひ参考にしてください。






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警察官のときに大変だった通報はありますか?