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【警視庁】警察学校は厳しい?直近5年の警察学校の退学率を公開!

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藤田 悠希
元警察官。会社員を経て警察官に転職し、都市部の県警で8年間勤務。主にパトカー勤務を行い、数々の事件検挙や交通取締りに従事した。元警察官の経験から幅広く警察官情報を発信中。

警察学校はかなり厳しいところだと聞きましたが、実際どれくらいの確率で卒業できるのでしょうか?

警察官採用試験に合格した後、次に目指すべきものは警察学校の入校&卒業になります。

警察官として働くためには警察学校に入校して様々な勉強や訓練を受けなければならず、その上で警察学校を卒業する必要があります。

警察官になるなら警察学校は絶対に避けては通れない道で、今現役で勤務している全国の警察官も同じ道を辿っています。

ただ、一般の人からすれば”警察学校は厳しいところ”というイメージが強く、「無事に卒業できるのか」は不安な気持ちを持つ人も多いでしょう。

私が現役警察官のときは入校者の1割が退職すると言われており、実際のところほぼこの数字に近い結果でした。

多いときでは1割以上が警察学校で退職していたため、厳しいイメージ通りで大きな間違いではないと思います。

警察官志望者の中で、一番気になるのは警察学校のことでしょう。

そして、「無事に入校して卒業までやっていけるのか」は誰しもが考えることだと思います。

せっかく警察官採用試験に合格しても警察学校で退職してしまうとすべてが水の泡です。

当然、警察学校で退職=警察官退職になりますので、二度と警察官になることはできません。

警察タイムズでは今後全国の警察学校について調査や取材を行っていきたいと考えていますが、今回は全国一の入校者を誇る警視庁の警察学校を取材しました。

情報公開請求も行い、警視庁警察学校の直近5年間の退学率を調査しました。

この記事では警察学校は本当に厳しいところなのか?をテーマに警視庁の警察学校の退職率について公開していきます。

警視庁警察学校 大卒課程退学率

  • 大卒短期課程(Ⅰ類)春入校
入校期入校者数退職者数退学率
2020年 4月275人3人1.0%
2021年 4月283人5人1.7%
2022年 4月337人15人(1人)4.4%
2023年 4月332人14人(7人)4.2%
2024年 4月313人6人1.9%
平均308人8人2.6%
※()は女性警察官
  • 大卒短期課程(Ⅰ類)秋入校
入校期入校者数退職者数退学率
2020年 10月283人8人2.8%
2021年 10月282人12人(2人)4.2%
2022年 9月327人17人(5人)5.1%
2023年 9月293人24人(7人)8.1%
平均296人15人5.1%
※()は女性警察官
  • 大卒短期課程(Ⅰ類)冬入校
入校期入校者数退職者数退学率
2021年 2月227人15人6.6%
2022年 2月119人5人(2人)4.2%
2023年 2月108人3人2.7%
平均151人7人4.6%
※()は女性警察官 ※2023年2月以降は冬入校なし

警視庁の警察学校の大卒課程(Ⅰ類)の退学率は平均5%前後であることがわかりました。

入校時期で見ると春入校が一番退学率は低く、秋入校だとやや退学率が上がる傾向にあります。

警察学校が厳しいところであることは間違いありませんが、警視庁の規模で5%前後はかなり低い数字ではないかと考えます。

警察官時代の同期に話を聞いたところ、近年の警察学校は厳しさよりも寄り添う姿勢を大切にしているとのことでした。

教官が怒鳴り散らすというのは一昔前の警察学校で、現在では厳しい警察学校を二人三脚になって卒業するスタイルが定着していると思われます。

警視庁警察学校 高卒課程退学率

  • 高卒長期課程(Ⅲ類)春入校
入校期入校者数退職者数退学率
2020年 4月159人9人(3人)5.6%
2021年 4月166人12人(4人)7.2%
2022年 4月148人12人8.1%
2023年 4月175人29人(13人)16.5%
2024年 4月182人11人(1人)6.0%
平均166人14人8.8%
※()は女性警察官
  • 高卒長期課程(Ⅲ類)秋入校
入校期入校者数退職者数退学率
2020年 10月138人19人(1人)13.7%
2021年 10月117人20人(9人)17.0%
2022年 9月71人13人(3人)18.3%
2023年 9月99人9人(6人)9.0%
2024年 9月–人–人–%
平均106人15人14.4%
※()は女性警察官

警視庁の警察学校の高卒課程(Ⅲ類)の退学率は平均10%前後であることがわかりました。

大卒課程と比べると約2倍の数字ですが、高校を卒業して警察学校という過酷な環境で生活をすることが容易ではないことがわかります。

やはりここは年齢や経験値の差が現れるのかもしれません。

それでも年々退学率は減少傾向にあるので、組織としても入校した初任科生を大切に育てていこうとしていることが窺えます。

まとめ

今回は警視庁の警察学校の退学率について紹介しました。

警察学校=厳しいという印象が強いため、警察学校の入校を控えている方々は不安な気持ちも大きいところだと思います。

警視庁の警察学校の退学率を取材した結果、想像よりは退学率は高くないというのが結論です。

大卒と比べると高卒の方が退学率は高くなる傾向ですが、年齢的なものを考えれば違和感はありません。

よって、警察学校への入校に対し、必要以上に不安に思わなくても大丈夫でしょう。

今後は他の都道府県の取材も行い、”警察学校の今”を明らかにしていきたいと考えています。

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