
全国の都道府県警察において、女性警察官が占める割合は全体の約12%となっています。(内閣府男女共同参画局データより)
このデータから警察官の世界は圧倒的に男性警察官の方が多いことがわかります。
女性警察官が活躍する場は年々広がっていますが、それでもまだ女性警察官の割合は低く、構造的な改革が必要な状況です。
近年はDVや男女トラブル、性犯罪の捜査の場面で女性警察官の存在が不可欠となっており、引き続き活躍が期待されることは間違いありません。
もはや警察組織において女性警察官はなくてはならない存在ですので、早期に採用の拡大・人員の増加が望まれるところです。
性犯罪やDVの捜査は男性警察官では踏み込みにくい場面が多い。こういった事件では女性警察官の活躍が光る。
これから女性警察官を目指す方にとって、男性社会に飛び込むことは少なからず勇気がいることだと思います。
働く上で男性警察官との違いはあるのか?
男性警察官と女性警察官に待遇や仕事の差はあるのか?
この記事では女性警察官について詳しく解説し、女性警察官と男性警察官の違いなどについてわかりやすく紹介していきます。
女性でこれから警察官を目指している方は是非参考にしてください。

女性警察官の難易度

まずは女性警察官の難易度について解説します。
大前提、男性警察官と女性警察官で試験自体の難易度に差があるわけではありません。
女性だからといって特別な対策が必要なわけではなく、男性と同様な試験対策で合格できる試験となっています。
その中で、一昔前までは女性警察官の採用は狭き門でした。
男性警察官に比べると採用人数が少なく倍率が高かったため、女性警察官を目指すことはハードルが高いものでした。
倍率が高い地域では女性警察官だけは5~10倍の倍率を記録することも珍しくなかったです。
しかし、全国での受験者の減少に伴い、近年は女性警察官の倍率は徐々に緩やかなものになっています。
警察組織としては望ましい傾向ではありませんが、倍率の低下は受験生にとってはチャンスと言えます。
そのため、まだまだ女性警察官の採用人数が少ない都道府県警もありますが、必要以上に構える必要はないでしょう。
女性警察官の倍率が低下傾向にあるとは言え、試験対策が不要なわけではない。計画的に準備しよう。
実体験として、私が現役警察官だった頃は難関の試験を合格するだけあって女性警察官は優秀な方が多かったですし、警察学校でも成績上位は女性ばかりということもありました。
警察学校において、体力面ではどうしても男性警察官に追いつけない部分はありますが、勉学の部分では有利不利は存在しません。
いずれにしても1つずつ警察官採用試験を突破していくしかありませんので、十分に勉強して対策していきましょう。
男女に待遇の違いはない

次に男女で待遇に差はあるのか?について解説していきます。
警察官は男性社会なので、男性警察官の方が好待遇なのかと思われがちですが、待遇面でも差はありません。
給料や手当、休日に関しても男女でなんら変わりはありませんので、その点はご安心ください。
また、昇任試験を受ける機会も平等に与えられていますし、昇任試験の合格率についても大差はなく、近年では女性警察官が幹部になることも珍しくありません。
今後もどんどん女性警察官の幹部が誕生していくものと見られます。
ただ、それは逆に言えば女性警察官でも男性警察官と対等に働いていかなければいけないという意味でもあります。
休憩や食事がとれないという過酷な勤務を女性警察官でも同じようにやっていかなければならないため、環境に適応していく能力は求められるところです。
- 環境面の整備
まだまだ古い交番は多数存在し、女性警察官が快適に勤務する環境が整備されていない面もある。 - 生理中の勤務
女性特有の事情があっても申し出づらく、生理中でも簡単には休んでいられない。 - 相手から舐められる
職務質問や取締りの場面では女性警察官に対して、舐めた態度をとってくる相手も珍しくない。
すごく生々しい話をして恐縮ですが、交番で勤務している女性警察官はトイレが使いづらいと考える人が多く、長時間我慢する人も多くいました。
これは割とリアルな問題で、トイレに行くためにわざわざ交番を出て、警察署まで往復する女性警察官もいたくらいです。
古い交番だと男女兼用のトイレしかないことが当たり前ですので、精神面の強さも必要になってくると言えます。
今後、女性警察官のための環境整備はどんどん進んでいくと思いますが、女性特有の悩みにぶつかることがあることは頭に入れておくといいでしょう。
体力面では対等にこなしていく

警察学校においても警察署に赴任してからも一緒ですが、女性警察官は体力面で男性警察官と対等に仕事をこなしていく必要があります。
警察学校であれば厳しいトレーニングや訓練を男性警察官とともに行っていきますし、女性だからといって弱音を吐くことはできません。
1500m走や20mシャトルラン、装備を着用して走る警備訓練も男性警察官と一緒にやっていきます。
体力面ではどうしても男女の差が出てしまいますが、それでも必死に食らいついていくしかありません。
また、柔道や剣道、逮捕術といった術科訓練も実施していきますので、身体を鍛えておく必要もあるでしょう。
警察官を目指すなら女性でも強い覚悟と精神力が必要になってきます。
警察学校は体力がモノを言う場面が多いため、入校までに確実に体力を強化しておく必要がある。
警察学校はあくまで訓練のみですが、現場では過酷な勤務をこなしていきます。
「女性だから休憩してていいよ」なんてことはなく、空腹にも眠気にも負けないよう戦っていく必要があります。
ケンカで荒れる現場や多人数が集結して混乱する現場において、場合によっては体を張って間に入っていくこともあります。
相手は女性警察官だからといって力を弱めることはなく、自分で自分を守れなければ現場で怪我を負う危険性もあります。
警察官は常に危険と隣り合わせの職業であるため、それ相応の決意が必要なことは間違いありません。
女性警察官でも日々トレーニングをして体力をつけておく必要はありますし、ある程度の筋力も必要になってきます。
警察官を目指すなら勉強だけでなく体力面も準備しておきましょう。
トレーニングのお供にはプロテインも積極的に摂取することをおすすめします。(プロテインは警察学校にも持ち込むことができます)
男社会でたくましく生きていく

冒頭でも紹介しましたが、女性警察官の割合は組織全体の約1割であるため、まだまだ圧倒的に男性社会だと言えます。
待遇面で差がないとはいえ、女性警察官はそんな男性社会でもたくましく生きていく必要があるのです。
それは言い換えると女性警察官でも新人ならば新人警察官らしい立ち振る舞いがしっかり求められるということでもあります。
女性警察官でも上司に対しては礼儀正しくし、元気よく挨拶することや機敏に行動することが必要になっていきます。
また、女性でも体育会系の明るいノリが必要になってきたり、飲み会に参加したりすることが大事になってきたりする場面もあります。
警察の世界は女性だからといって特別に優しく扱ってもらえるワケではありませんので、礼儀だけは忘れないようにしてください。
男女で差があるわけではないが、経験上、女性警察官に愛想の良さは必要と考える。特に若手のうちは意識したい。
また残念な話ですが、警察組織において一向になくならないのがハラスメントです。
ニュースでも度々報じられる通り、あってはならないことなのですが、定期的にセクハラやモラハラの問題は起きてしまいます。
どうしても女性が弱い立場になってしまうことはありますが、被害を受けた場合は必ず声をあげていくことが大事です。
今は被害を訴えれば組織はしっかりと対応してくれるので、泣き寝入りする必要はありません。
万が一、ハラスメントの被害を受けたときは適切な対応をとっていきましょう。
広がる女性警察官の活躍の場

一見して大変に思える女性警察官ですが、活躍の場は確実に広がっています。
女性警察官は男性警察官では対応できない業務を任されることが多く、その存在は警察組織において欠かせません。
だからこそ女性警察官の採用を強化し、組織の強化を図る必要があると言えるのです。
実際、女性警察官がいないと困る現場は多いですし、警察が円滑に役割を果たしていくためには男女の警察官の連携が欠かせません。
それに伴い、大幹部になる女性警察官の増加も年々話題になっているため、ますます女性警察官にかかる期待は大きなものになっていくでしょう。
- 男女トラブル
女性側の事情聴取は女性警察官が務める場面が多い。 - 性犯罪
女性の被害者には女性警察官のきめ細やかな対応が必要になる。 - 女性被疑者
身体検査や所持品検査は女性警察官が行うことで円滑に進めやすい。
警察の仕事においては女性警察官にしかできない仕事というのは数多く存在します。
特に性犯罪事件においては、女性警察官が女性被害者から事情聴取する方が望ましいですし、実際にほとんどの現場ではそのような対応になっています。
やはり女性被害者からすれば男性警察官相手では話がしにくいですし、話をするだけで嫌な気持ちになってしまいます。
そんなときでも女性警察官が対応することにより、事件や被害の真実を聞き出すことができるので、迅速な事件対応に繋がるというわけです。
このように女性警察官は警察組織にとって欠かせない存在ですし、働く女性警察官にとってもやりがいの大きな仕事となっています。
産休や育休は取得しやすい

警察官として働く女性にとって、なにより安心できるのは産休や育休がしっかり取得できるということです。
中小企業であればそのような長期休暇の制度が整っていない会社は多々ありますが、警察官は公務員であるため福利厚生は完璧です。
女性警察官は勤務年数を重ねていく中で、結婚や出産を経験する人が多くいます。
妊娠・出産を経験することになっても休暇をしっかりとることができるため、この辺りは女性警察官にとって心強いものだと思います。
私が見てきた女性警察官でも2年間の育休をしっかり取得してその後に職場復帰する人は多かったですし、そこから出世していく女性警察官もたくさんいました。
休暇を申請すれば100%取得できますし、休暇を取ったからといって不利になることはないので、その点は非常に安心できるところだと思います。
一時的に職場を離れることになっても不利になることはなく、復帰後も第一線で活躍する女性警察官は多く存在する。
出産後も働いていきたいという女性にとって、警察は非常に心強い職場と言えます。
復帰後は時短勤務など柔軟な対応もしてもらえるので、働きながら子育ても仕事もしていくことが十分可能な環境です。
警察官の職場ではこれが当たり前なので、周りから嫌な顔をされるなんてこともないでしょう。
このような福利厚生が整っているという点は働く女性警察官にとって非常に魅力的だと思います。
なお、現在では男性警察官でも育休の取得が推奨されており、実際に取得する男性警察官も多数います。(私自身もわずかながらも育児休暇を取得していました)
まとめ
今回は女性警察官について詳しく解説しました。
女性警察官にとって男性社会で働いていくことは不安に感じる部分もあると思いますが、
- 男性でも女性でも待遇面に一切の差はない
- 女性の幹部も増えてきている
- 女性警察官が働きやすい環境整備も進んでいる
- 産休や育休がしっかり取得できる
となっているので、そこまで大きな心配は必要ないでしょう。
ただし、体力面でやや劣る女性でも男性と対等に働いていかなければいけないですし、危険な現場でも力を発揮しなければいけません。
ときには暴れる相手を制圧する場面も出てきますので、女性でも体力や筋力の強化は欠かせません。
それでも女性警察官が活躍する場は確実にありますし、確実に広がっています。
女性警察官が頼りにされることは多いですし、女性警察官でしかできない仕事もたくさんあります。
警察官採用試験の難易度は少し高いかもしれませんが、とてもやりがいのある仕事であることは間違いありません。
今後、警察官を目指していく女性にとって今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。







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